2022年1月25日火曜日

最近の国際情勢とKGB

  バイデン大統領が就任して1年。米国をめぐる国際情勢を概観する。

・不法移民の急増+依然としてコロナ死者多数により、バイデンの支持率は約40%と低迷。

・APの世論調査によると、米国民の7割は大統領選でバイデン vs. トランプの対決をもう見たくない。

・カマラ・ハリスは副大統領として過去最低の人気度。上院議員時代の2019年にはスタッフの離職率が上院議員100人中最悪と、人柄や管理能力も問われている。

・ヒラリーはオンライン講座で2016年大統領選で用意していた勝利宣言スピーチを披露。昨年10月には国務長官の女性を主人公にした自伝的?小説を共著で出版、ベストセラーになっている。

 政治家が本を上梓するというのは、出馬への布石という感じもする。トランプ時代以来、大きく脱線した米国を軌道修正できる手腕を持つ人物はヒラリーしかいない、とも思う。

米国を揺るがすプーチンの思考

 2016年大統領選に介入、米国を大混乱に陥れたとされるプーチン氏に対抗できる知性を持つ米国政治家もヒラリーしかいない。そう考えるとプーチンの考え方や背景を理解しておくことは、今後の国際情勢を考察するうえで有益であろう。

 プーチンのインタビューを見ると、KGB職員としてのアイデンティティーが彼自身の支柱であると感じられ、大統領になったのは偶然に過ぎないと語っている。今でもKGBという組織のやり方や考え方が骨身にしみついているのだろう。

 そこでKGBについて調べたところ、メチャクチャ面白い本が見つかった。邦訳も出ており、2018年とわりと最近に出版された"The Spy and the Traitor"というノンフィクションだ。

 冷戦時代のKGBスパイとして欧州に駐在した主人公が、やがて秘密裏にイギリスのMI6に雇われて二重スパイとなる。当時のサッチャー首相やレーガン大統領にも助言し、国際情勢を変えるきっかけを作った。

事実は小説より奇なり

 著者はこの人物に150時間にも及ぶインタビューを行い、KGBの詳細な内部事情や全体の動き、さらにはイギリス政府の恥さらしになるような話も聞き出した。文字通り「事実は小説より奇なり」を地で行くストーリー展開。The Timesの記者でもある著者はイギリス人の知識人らしく、豊富な語彙の中から状況をピンポイントで表現し、基本単語でもこんな使い方があったんだと知り、英語の勉強になる。

 例えば、cultivateには「利用目的で積極的に人と交わる」という意味がある。デンマークでは出生・死亡証明をプロテスタント教会が管理していたため、"He began cultivating clerics to gain access to the registers, and organizing burglaries at various churches."といった具合だ。

 そうか、〇〇さんとかXXさんが愛想よく私に近づいてきたのもcultivateだったんだな(苦笑)。押し売りのターゲットとして私は最も不向きだと思うが、とにかく必死だったのか。まあcultivateにこうした意味があるということは、人間関係の「あるある」なのだろう。正確な単語は現状を理解して客観視する手助けとなる。

 当時のソ連の息の詰まるような監視社会、在コペンハーゲン・ソ連大使館の実態などが生々しい。20人いる大使館員のうち本物の外交官は6人だけで残りはKGB職員か軍関係の諜報担当。現地の情報提供者を採用するため本部から接待費を渡されていたが、会合や領収書をでっちあげて経費を不正受給していた、など。

 謝辞や索引を除く本文337ページのうち、まだ27ページしか読んでいないが、ソ連やKGBでこうなら、それに対抗する西側諸国はどうだったんだろうとか、いろいろと想像や妄想をめぐらせる。

イギリスの「良い」中古本

 ちなみにアマゾンジャパンの中古本で「良い」とされていた商品を買ったが、イギリスから1週間で届いたのはよかったものの、カバーなしで汚れも目立つ。これで「良い」はないだろうと出品者に★1つの評価を書いたら、あわてて連絡してきた。証拠写真を送れ、さらには返金か返品の対象と判明したので、どちらがいいですか、と。

 もう読み始めちゃったし、すぐに先を読みたいので「割引でディスカウント分を返金というのはどうですか?」と連絡したら、「返金希望なら、着払いで本を返送してくれ」と。アマゾンは顧客第一主義を掲げているが、そうでない場面も時にはあり、ちょっと面倒臭いな。。

追記:この段階でメールを放置していたら、なんと翌日にアマゾンは本の全額を返金してきた。誇大表示のお詫びとして、この面白い本をタダでくれた、ということなのか。アマゾンでは顧客第一主義を徹底させるため、会議では空席の椅子をひとつ用意して「この場面に顧客がいたら、どう言うだろうか」を想定しながら、話し合いを進めるという。これは本当なんだな。。という感動話を広げることで、アマゾンはさらに儲かる。スゴイ会社だ。