2022年1月20日木曜日

男女格差を存続させる圧力(1) 国立市のイベント概要

「女だから〇〇しろ」「男なんだからXXでなきゃ」といった周囲の圧力を感じたことのある人はほとんどだろう。

 そうした体験を見える化した参加型イベント"The Clothesline in Kunitachi"が国立市で行われた。

 国立駅前にある入場無料の公共スペース「旧国立駅舎」など市内各所に紙を用意し、女性や男性であることを理由に不愉快なことをさせられたり、言われたりした体験や、自分が思う解決策を書いて箱に入れる。これらの投稿を主催者が取りまとめ、洗濯物を干すヒモ(clothesline)にクリップで止めて掲示する、というものだ。来訪者は読むだけでもいい。


 先日も紹介したが、日本は世界の中でも女性の社会的地位が低く、世界経済フォーラムが調査した男女格差の指数で150カ国中120位。先進国の中で最低レベルで、同じく儒教国の韓国や中国、ASEAN諸国よりも低い。

 大企業の総合職、公務員、電車の車掌といった職業に就く女性が増えたものの、仕事や家庭での男女格差は根強い。そうした現実は日常の一部となり、違和感や不快感を持っても、それを指摘すると和を乱すとみなされる。

 昭和の風習かと思いきや、いまだに続いていることも多い。これらの投稿を大まかに分類してみよう。

女性の苦情
・職場や家庭で女性だけがお茶くみ、お酌、食事の支度、料理の取り分けをさせられる(かなりの数の投稿あり)。
・家庭や一族における女性の地位は低い。年賀状宛名の順番は夫>妻(苗字が表記されるのは夫のみ、妻は下の名前だけ添え物のように記述される)。義理父に「家事・育児は女の仕事」と言われる。結婚生活45年、ずっと夫から「女のくせに」と言われ続ける。家の手伝いを女の子だからと押しつけられ、兄や弟はその間も遊んでいる。
・女性のみ化粧を強要される。
・女子生徒の制服はスカートと決まっている。
・教育機会の不平等 「女は四年制大学に行かないほうがいい」「女だから現役じゃないとダメ」
・自分の意見を言うと「女のくせに生意気」だと言われる。

男性の苦情
・学生でも飲み会で女子学生よりも多く払わされる。
・男の子は泣いてはいけないと言われて育つ。
・男は性欲が強いので相手は誰でもよいと思われ、女性から強姦されたと感じることもある。
・泣きやまない子供を妻がなだめておとなしくさせると、周囲から「やっぱりお母さんじゃなきゃ」と言われて傷つく。

 第二部以降ではこれらの投稿を吟味し、その背景にある根強い日本独特の習慣や考え方、それが社会の停滞を招くプロセスについて考察する。