この内容を細分化して検討してみたい。
1)職場の同僚へのお茶くみ
これはさすがになくなってきたかな、と思う。
昭和を代表するテレビドラマのひとつ「太陽にほえろ!」では捜査一課に紅一点の事務職員が、同僚刑事たちへのお茶くみをしていた。
平成に入ってもこんな職場があった。
丸ノ内の一等地。総合職・事務職を問わず女性社員のみ制服着用。午前9時と午後3時に同じ部署のスタッフ全員に飲み物サービス。食器棚に入っているマグカップや湯呑の持ち主を覚え、各人の好み(緑茶、コーヒー、紅茶、砂糖・ミルクの有無)を把握して正確に届ける。この義務を負うのは女性のみ。朝夕の作業で各30分、小一時間は取られる。同期の男性はその間に本来の業務を進め、重要な会議に出席する。
旧態依然とした職場だが、さすがに数年後には飲み物のサーバーを設置して同僚へのお茶くみ制度は廃止したらしい。
2)来客へのお茶出し
今でもこれは女性に押しつける職場が結構あるようだ。無言の圧力で女性がやることに決まっている、「女性が入れるお茶のほうがおいしいから」とおだてる?作戦など。
外資系職場ではこんな場面があった。部長の男性はお菓子づくりが趣味でプロのパティシエなみの腕前。自分のスタッフに時折ふるまい、ある日は来客にも用意してきた。
ポット入りのコーヒーを別途注文し、来客が応接間に座ると部長がケーキを切り分け、私に「ネコさん、コーヒー注いで」と言った瞬間、「トムもね!」とあせったように同僚男性にも指示した。職場のルール上、女性だけにお茶くみを強要するのは差別に当たると理解していたのだろう。ちなみに日本人男性の来客たちは、部長が「自分の手作りケーキです」と言っても、「ウソでしょう」と笑って最後まで信じなかった。
話がややそれたが、来客へのお茶出しは歓迎している雰囲気を出す目的もあり、それが本来の業務として仕事の一部になっている場合は問題ではないと思う。重役秘書、各部署にいるアルバイトなど。
問題となるのは、こうした部員がおらず、対等な立場のスタッフの間で誰かがやらなければならない場合である。このような時に女性社員だけに押しつけるのは不平等であり、なんらかのルールを作るべきだと思う。
さらには本当に全ての来客へのお茶出しが必要なのかを検討するのもいいかもしれない。外出時に水やお茶を持ち歩く人も多く、会議の度にお茶を出されてお腹一杯かもしれない。
客が来たら反射的にお茶を出すのではなく、飲み物がほしいかどうかを聞いてからでもいいかもしれない。そうすればお茶くみの回数が劇的に減り、作業の中断で集中力が途切れることなく生産性が上がり、残業時間も減るかもしれない。