1泊2日の旅行経験によって秋田県や東北とは何かを語るのはおこがましいとは思うが、第一印象によって本質を垣間見ることもある。
大館市内を歩いて気づいたのは、昭和で時が止まったような感覚である。当時は栄えていたであろう商店街に老朽化してシャッターの下りた建物やた空き家が目立つなか、細々と経営を続けている店もある。最新式の断熱効果の高い建物とはほど遠く、降雪地帯では厳しい生活だろう。
昭和レトロを意識的に残し、観光名所にしている映画館もある。
こうした昭和の名残とは対照的なのが、新しく立派な行政の建物だ。
そして何よりも、周辺の大自然ははっとするほど美しい。
大館市に隣接する鹿角市は鉱山や交通の要衝という歴史もあり、大館市よりは栄えているように見える。だが商店街=昭和の名残という全体像は変わらず、それを象徴するかのようにアーケードにはチェッカーズのBGMがかかっている。
その一方で新しい店や家も点在している。現地のホテルはきれいに整備され、リノベしたばかりの部屋はウエブサイトの印象よりはるかによく、キャピトル東急と同等クラスに見えた。これで朝食つき1万2500円はかなりコスパが高い。
鹿角市でも行政の施設は新しく立派である。徴税権があるため時代の荒波を受けにくく、最も潤っているのは行政関係者のようだ。地方の秀才が公務員を目指すのもうなずける。
現地を歩いて観察しながら、どうすれば地方を活性化できるのだろうと考えた。荒廃した街並みは東北に限った現象ではなく、東京の一部を含む日本全国にみられる。
コミュニケーションのオンライン化が進むなか、地方には豊かな自然と広い土地がある。IT技術の活用を通じて価値ある資源を有効利用する方法が見つかれば、日本はもっと豊かで住みやすい国になるだろう。