せっかく名古屋まで行くので1泊して観光もしたい。そう思っていろいろと調べていると、名古屋駅から1駅、徒歩30分程度のところにトヨタ産業技術記念館がある。
ググってみると7000件を超えるレビューで平均点4.5とかなりの高評価だ。トヨタの歴史や技術を詳しく学ぶことができ、1日中いても時間が足りないとするコメントも散見されるが、1時間あれば十分という人もいる。
新幹線で名古屋駅に到着、まずは観光案内所で地図やクーポンなどをチェック。同世代に見える女性職員に「トヨタ産業技術記念館は面白いですか? 見学時間はどのくらいですか? 人によってかなり差があるみたいですが。。」と聞いてみた。一通りざっと回るなら1時間~1時間半程度だという。
トヨタ産業技術記念館はトヨタの歴史・技術を解説するもので自動車の展示はあまり多くはなく、一方のトヨタ博物館は名古屋駅から離れた場所にあり自動車が数多く展示されているという。
運動がてらトヨタ産業技術記念館へと徒歩で向かう。名古屋駅を出て左にひたすら歩き、途中のファミマで翌日の歌舞伎チケットを発券。道沿いにある一戸建て住宅の表札は昔ながらの形式でお父さんを筆頭に家族全員の名前が書かれ、中日新聞の新聞受けがある。
「外堀通」と書かれた看板の道があり、交差点の表示に「則武新町」とある。付近にノリタケの見学施設もあり、そうなのか、ノリタケって地名だったとは知らなかったと納得する。
電柱にはわかりやすくトヨタ産業技術記念館への道案内があり、絶対に迷わない。
到着し、小腹が空いたのでまずはカフェでバームクーヘンを買い休憩する。
入場料は500円。入るとまずロボットがバイオリンを弾いている。あまり上手ではないが、とりあえず曲にはなっている。完璧な演奏をしてAI技術を怖がる人がいてもよくない、という考えなのだろうか。
トヨタは豊田紡績という機織り機の製造業で創業。まずは紡績のしくみや機械の展示で始まる。各コーナーで紺色と赤い縁取りの制服を着た若い女性が説明する。展示物の多くに音声ガイドもついている。これらを全部聞いていたら、確かに丸一日あっても足りないだろう。
今でもトヨタは紡績機械の製造を行ってはいるが、昔よりも生産台数は減っているため、紡績機械の工場スペースの一部を現在では自動車生産に当てているそうだ。
自動車コーナーでは生産第一号の車種と製造工程の再現、金属加工の実演、歴代のトヨタ車の展示などが見られる。
創業者の豊田佐吉や長男・喜一郎の人生、経営哲学、人となりを紹介する展示にもかなりのスペースを割いている。自動車製造はまずシボレーを分解・調査することから始まった。
温暖化対策としては水素自動車の展示と説明が若干、初代プリウスがあるが、電気自動車には言及していない。
そうなのだ。ここはあくまで「記念館」として過去の歴史を語るものであり、先端技術を見せる場ではない。
記念館と言えば画家や小説家の生家に若干の展示を加えた、小規模な施設というイメージがある。ここまで膨大な展示、資料、わかりやすく解説するスタッフやガイドを配置し、立派な建物で運営する「記念館」は見たことがない。