2021年8月16日月曜日

仕事の検証(2) ジャーナリスト

 仕事の検証・シリーズ2回目はジャーナリスト。私は公務員を16年、記者・編集者を14年ほど経験してきた。大手新聞社、科学雑誌、テレビ局、フリーランスなどの仕事を振り返ってみよう。

ジャーナリストのメリット

1)仕事や同僚が面白い

 世の中の動きを追いかけ、複雑な事象を理解してわかりやすく表現して伝える仕事は本当に面白い。知的好奇心と文章表現力のある人にとって、これほど面白い仕事はない。同僚や上司も全員そう思って働いているので、一般的な職場にはない一体感がある。

 仕事仲間は読書家で表現力があり、語彙が豊富なので話していて楽しい。幅広い知識や教養があるので勉強になる。非常に頭のよい人ばかりだが、公務員のように型にはまっていない。

2)本質的にクリエイティブな作業

 自分の担当面に書く内容を発案してネタを集める作業は、根本的なレベルでクリエイティブである。命題を与えられて方程式を解くような、公務員の仕事とは本質的に異なる。ニュースというくらいなので、事実または分析が新しくないと仕事にならず、前例主義が入り込む余地はない。

3)世の中に貢献できる

 どの組織でも、自分に不利な情報や世間的に恥ずかしい事実を自分から発表することはない。世の中の不正や理不尽さ、食品や医薬品の危険情報の多くはマスコミの地道な調査報道によって暴かれてきた。また役立つ情報を幅広く伝えることで、多くの人々の役に立てる。

4)美的感覚を生かせる

 美的センスに自信がある人にとって、自分の書いた記事をどう見せるかをあれこれ考える作業は非常に楽しい。デザイナーにアイディアを伝えるためのラフスケッチを描いたり、この色が合う合わない、写真の向きがどうだのと、デザイナーやほかの編集者と話し合うのは、ものすごくワクワクする。

5)有名人に会える

 ミーハーにとっても、この仕事はたまらない。政治家、政府高官、学者、企業広報、いろいろな分野の専門家、市民活動家、芸能人など、あらゆる立場の人々に会える。

 私は有名な歌手のインタビュー、セレブの自宅を訪問して食事内容を紹介する雑誌コラムなどを担当し、ふつうの生活では不可能なメチャクチャ、ワクワクする体験をできた。

 記者会見に出席、イベントや会議でプレス席を確保するなど、間近で有名人や講演を見ることができる。

ジャーナリストのデメリット

1)早死にする人が多い

 上記のように中毒性があるほど面白い仕事なので、いつのまにか働きすぎてしまう。朝から晩まで仕事をして、休日も取材内容について考える日々が長年続いて過労になる。結果として、40代~50代で早世する仲間も結構いる。

2)将来が不安定

 かつては大手マスコミは給料も高く安定していたが、新聞の購読者数やテレビの視聴率は右肩下がり。発信力や表現力のある個人が動画サイトやブログで活躍する時代になり、AIの記事作成機能も向上するなど、先行きが不安である。

 。。このくらいだろうか。ほかにデメリットは思いつかない。健康に留意しつつ、ほどほどに仕事を楽しみ、収入を心配する必要がなければ全く問題はない。

 ありがたいことに、私は長年の勤労者生活をへて、ついにこの立場を手に入れた。今では編集長や社長すら気にすることなく、100%本音を書き続けている。