2021年8月18日水曜日

仕事の検証(3) 夜の商売

  世界で最も歴史の長い職業は、夜の商売だという。最近では「夜職」とも呼ばれ、事務職や運転手ではなく実際の接客を行う人を「プレーヤー」とか「キャスト」と言うそうだ。

 関連法を読んでみると生々しい文言が並んでいる。このような商売が合法であることに、あらためて驚く。欧州出身の男性いわく、日本の業界は欧州の10倍の規模があるという。

 自分は全くの門外漢で周囲に経験者はおらず、実際の様子は見当もつかなかった。だが最近、業界の状況や利用方法を解説したYouTubeチャンネルを見る機会があった。医師が運営する別のチャンネルとのコラボで、業界関係者のメンタルヘルスというテーマの動画で初めて知った。

 おそるおそる、このチャンネルの動画をいくつか見てみると、意外なことがわかって興味深かった。

 夜の商売と言えば、お金のために仕方なく働くといったイメージがあった。だがチャンネルを運営する女性は、この仕事が心から好きでやりがいを感じるという。

 強がりなのかと思いきや、どうやら本音のようだ。彼女の母親は末子を亡くしたショックから新興宗教に走った。宗教上の理由で排他的で厳しい規則の多い家庭で育ち、彼女は修学旅行への参加も許されなかった。

 大学進学後にようやく自由を満喫でき、毎晩いろいろな男と出歩くようになった。これが楽しくてたまらず、仕事でやるようになったという。人間とのコミュニケーションが好きで、深いレベルで関与できる仕事でやりがいがある、と。

 自分の仕事に誇りを持ち、業界への理解を深めてもらうため、顔出しでチャンネルを運営している。さわやかで明るく話しやすい雰囲気で、これまで私が持っていたイメージとは全く違う。こんなに感じのいい女性なら、私もお茶してみたいと思うくらいなので、かなり男性受けもいいのだろう。

 この商売のデメリットとしては、誹謗中傷を受けやすい、客に暴言を吐かれて怖い思いをすることもある。きつい仕事なのでモチベーションを上げるのが大変だという。

 お客さんの要望に応えようと懸命になり、自分がわからなくなる。この点は公務員も同じである。自分の信念とは異なる主張をしなければならない時には、自分は精神的な売春婦のようなものだと感じていた。

 いや夜の商売のほうが、肉体的・精神的にはるかにきついだろう。しかしながら、この商売が存在しなければ性犯罪がもっと多発すると予想される。世の中に必要な仕事であろうことは間違いない。