2026年4月28日火曜日

阪神vs西武:宗教団体とエンタメ事業の違い

 私は関西好きな姉の影響もあり、子供の頃から半世紀近く阪神ファンをやってきた。だが最近では家から最も近く、黄金時代の地元セールなどで親しみのある西武ライオンズを応援している。

 ただ長年の虎党のクセがあり、そのままの感覚でライオンズ推しをすると予想だにしなかった違いに直面する。

 結論から言うと阪神タイガースは関西を総本山とする宗教団体であり、西武ライオンズはローカルなエンタメ事業なのだ。

 その違いが具体的にどう表れるのかを述べてみよう。

1)グッズショップの品揃え

 タイガースショップにはありとあらゆる種類の商品が並んでいる。応援グッズのユニフォーム、メガホン、タオルといった定番のほか、スーツケース、コーヒーメーカーやトースターなどの家電製品、記念の年には純金の小判まで。

 この感覚でライオンズストアに行き「靴下はどこにありますか?」と店員に聞くと「扱っていません」。え。。。ビックリした。タイガースには一体何種類の靴下があるのか分からないほど当然あるのに。どうやら昔はライオンズでも靴下はあったようだが。

 阪神タイガースという巨大な宗教に近いコミュニティでは、消費行動の全てを球団に捧げることが忠誠の証となる。信者は日用品の全てをタイガースで固めることで安心感を得る。そのため、ショップは百貨店のようなフルラインナップを求められるのかもしれない。

 これに対して、ライオンズストアが靴下を置いていないという事実は、西武ファンが「そこまでの依存」を球団に求めていないことの表れかもしれない。店頭に並ぶのは応援グッズやお菓子などのお土産が中心であり、靴下はおろかライオンズロゴの入った家電製品も一切ない。

2)勝敗へのこだわり

 昨日現地観戦した日ハム戦でライオンズは1-2で敗退。ヒットは1回裏、長谷川のHRだけ。先発渡邉は8回1失点でも勝ちがつかず。源田はどうにか2割回復も相変わらず打撃はあっさりしすぎ。最後はついに代打を出されたが、出てきた栗山も凡退。何とこれで今年は現地7戦6敗。去年は7戦6勝だからちょうど真逆。

 一連の感想を隣席のライオンズファンの人と話したが、彼はさほど負けを気にしていない様子だった。これが阪神の負けた試合でタイガースファンだったら、とても声すらかけられないほど深刻な雰囲気だっただろう。

 それだけ西武ファンにとってライオンズは日常の娯楽のひとつであるのに対して、阪神ファンにとってタイガースは精神的な依存先と言えよう。

 私が思うに、ライオンズファンである西武線利用者は昼間はガラガラ、ピカピカな車両と快適な電車に乗り、東京西郊や埼玉の暮らしに基本的に満足している(西武線で人身事故はほとんど聞かない)のに対して、タイガースファンは関西という階級社会と因習の世界で閉塞感や責任感に押しつぶされている。

 昨日の阪神は神宮での試合で5-10でヤクルトにリードされていたが、9回表、二死満塁でテルに打席が回ってきた。もし満塁ホームランなら1点差。ところが彼は三振に倒れた。

 そもそもこの試合は先発才木が2回裏に6失点(きっかけはテルのエラーだったが)、継投も打たれていた。だがエラーと最後のチャンスで打てなかったことでファンに何を言われるか分からないという恐怖からか、彼は試合後ベンチから引き揚げて外野の出口まで歩く際に頭からバスタオルをかぶり、三塁側スタンドの阪神ファンに顔が見えないようにしていた。まるで逮捕された容疑者がマスコミのカメラを逃れるかのように。

 これが3割8分近く打っいる首位打者、打点王なのだ。テルがもしライオンズの選手だったら、バスタオルをかぶって帰る必要は全くなかっただろうと私は断言できる。つまりライオンズファンは比較にならないほど穏やかであり、娯楽である野球に良くも悪くもそこまで辛辣にならないから。

3)エンタメ性

 西武HDにとってライオンズ事業は西武園遊園地と同じ位置づけの娯楽であることは、野球チケットを買うと「同日の西武園遊園地入場券を割安で買えるので行きませんか?」という案内が出てくることからも明らかだ。だからこそレオ・ライナという超一流エンターテイナーが実は主役であり、太っ腹なライオンズグッズ無料配布の日を設けたり、球場グルメなど勝ち負けに関係ない集客を基盤としている。

 これに対してタイガースは本質的に宗教団体であるため、勝って信者=ファンを喜ばせないと存在意義がない。タイガースのチケット購入者に、例えば(別経営だとは思うが)海遊館の同日割引チケットのお勧めという発想は出てこないのではないか。 

2026年4月24日金曜日

山川vs源田:スキャンダル後の対照的な結果

 私は個人的に山川穂高選手が非常に面白いと思っている。

 彼はスキャンダルをへてFAで西武からソフトバンクに移籍したが、その後も試合前にライオンズのおかわり君に打撃コーチをお願いしに行くなど、なりふり構わず打撃向上に熱心である。結果、今シーズンすでに5本塁打を打っている。

 お上品な西武にとって山川のスキャンダルは最悪で、もし西武にいたままだったら、いまだに二軍でお仕置きだった可能性もあるだろう。だがソフトバンクがなりふり構わず山川を獲得、その山川はなりふり構わず努力して結果を出している。こういう、良くも悪くも突き抜けた上昇志向がいまのライオンズというチーム(レオ・ライナ、ファンサービスは別として)に欠けている。

 源田壮亮選手のスキャンダルはまだましな程度だったが、源田は妻に「とにかく野球で結果を出していくしかないよね」と言われた割にそうなってない。

 昨年源田はスキャンダル後「信頼を裏切ってしまったライオンズファンの皆様、そしてライオンズ球団に対し、野球人生の最後までプレーでその信頼を取り戻せるよう全力を尽くして参ります」とインスタに書いたが、口先だけとしか言いようがない。打率は2割を切り、とにかく打撃があっさりしすぎており、私の今年の現地観戦ではバント失敗まであった。

 Geminiと話したところ、見解は以下の通り:

 打率2割切りというのは、プロの、しかも年俸数億円の主力選手としては「営業停止」に近い数字です。インスタで宣言した「野球人生の最後までプレーで信頼を取り戻す」という言葉が、現在の打率2割切りという数字によって、完全に**「不渡り手形」**と化しています。

 バント失敗の重み: Nekoさんが目撃されたバント失敗は、今の源田選手がいかに「集中力」と「必死さ」を欠いているかの象徴です。小技で生き残るべき選手が小技をミスする。これはもはや、技術の問題ではなく**「覚悟の欠如」**と言わざるを得ません。

 なりふり構わぬ努力の不在: 山川選手がおかわり君に頭を下げ、泥にまみれて「本塁打」という結果を叩き出しているのと対照的に、源田選手からは「何が何でもこの状況を打破してやる」という、なりふり構わぬ切迫感が見えてきません。