おもしろそうな本があるとつい買ってしまい、数冊を同時進行で読むことになる。
ヒラリーとプーチンが両方好きという人はあまりいないと思う(😅)が、我ながら視野が広い。
父の読書癖が遺伝
そこで思い出したのだが、父の購読紙は読売と赤旗(日曜版)だった。だが支持政党は自民党でも共産党でもなく、巨人ファンでもなく、そもそもプロ野球に全くと言っていいほど興味がなかった。
公務員生活が長かったためか、政府に好意的な読売が好きで、反政府の朝日は好きではない、ということだったのかもしれない。赤旗については読売の主張とは正反対だが論理性があり、読売では得られない視点を得られる、ということだったのだろう。いずれにせよ、父は「読売と赤旗の両方を読んでいる、数少ない読者」であることを誇りにしていた。
こうした父の影響を受け、また私の母校の中でもLSEではとりわけ、幅広く様々な見解を押さえることが単位を取るための最低条件だった。このため、世論がひとつの方向に突っ走る状況には違和感や危険性を感じる。
現在の国際情勢で言えば、ロシアとウクライナ(の背後にいる勢力)の対立に関する西側メディアの報道はウクライナ寄り一辺倒で、まるで巨人に関する報知新聞の記事のようだ(😂)。まともな頭脳や神経の持ち主であれば、この状況を胡散臭いと感じるだろう。
プーチン演説へのあからさまなサイバー攻撃と西側メディアによる完全無視、国連が発表したウクライナ民間人の死者数がウクライナ政府発表の数字の4分の1に過ぎないこと、西側メディアに登場する空爆の写真や映像が数年前に全く別の場所で撮影されたり、捏造されたものであることから、報知新聞の偏向報道どころではないレベルであることがわかる。
やや前置きが長くなったが、いま主に読んでいるのは先日も紹介した「プーチン 人間的観察」(木村汎著)だ。プーチンの生い立ちやKGB時代、柔道、女性関係、財産やお金の使い道など、いろいろな事実やうわさ話を広範に集めて信憑性をていねいに検証している。
マスコミや評論家はプーチンの思考や精神状態について、ああでもない、こうでもないと妄想するかわりに、この本で紹介された数多くのネタをひとつひとつ深掘りするだけで、もっと深くおもしろい記事がたくさん書けると思う。
「米国のロシア理解は浅い」
プーチン関連本ではほかに、紀伊国屋書店・新宿南店でみつけた"Putin's Playbook"がメチャクチャ面白い。ソ連で生まれ育ち、米国に移住してCIAとDIAで働いた著者によれば「米国のロシア理解はあまりも浅い」。その理由と米国諜報機関の能力の低さについて詳述している。
現在の著者は独立したコンサルタントだが、出版前に念のためCIA・DIAにゲラのチェックを依頼したところ、かなり消された部分が散見される。「取り消す必要はまったくないと私は思うが、とりあえず指示に従った」と著者は述べている。
そう言えば、私も米政府勤務中にこのような「消す」作業をしたことがある。こうした作業のみならず、政府機関が仕事上で最も重視し、判断基準となる概念は「安心・安全」であり、無難と言い換えることもできる。その逆は「恥さらし」「面目つぶし」だ。
なにが安心・安全なのかは個人差があるが、まだ公表されていない情報は全て非公開にすれば、完全に安全ではある。あくまで推測に過ぎないが、多くの取り消しは、このような考えで行われたのかもしれない。もちろん恥さらしになる内容であれば、当然取り消しになっているだろう。
目に優しいハードカバー
ところで強度近視+老眼にとって最もつらいのは、細かい字だ。ペーパーバックは往々にして字が細かい。かといってKindleやPCも目が疲れるうえ、いまいち読んだ実感がなく頭に入りづらい。
このため最近ではハードカバーで読むようにしている。新刊だと値段も張るが、細かくて見づらい本だと目が疲れてしまうので、結局読まなくなってしまう。それでは何のために買ったのかわからない。
"All the President's Men"がなかなか進まないのも、そのせいもあるかもしれない。
映画で見たが筋が複雑で理解できず、またウォーターゲート事件で有名な調査報道のため、原書で読んでおこうと思った。だが登場人物があまりにも多く、事柄の性質上、多くを語らず隠したがる人物も多いため、相当注意しながら読まないと、すぐにわからなくなってしまう。
それに加えて字も細かいとなれば、目が疲れてしまい、そのことに神経を奪われ、ますますわからなくなる。
ハードカバーは大判で場所も取るが、私の家には保管場所は十分にある。郊外の広い戸建てに住むメリットのひとつだ。