1)言論の弾圧
問題解決で最も重要なことは、問題を認識することだ。
プーチン大統領は2月21日、国民と友人らに向けて約1時間の演説を行った。ウクライナ情勢やNATOについて何が問題なのかを語り、今回の軍事行動に出るに至った経緯と理由を詳細に説明した。
今回初めて明かすと前置きして「米国のクリントン大統領にロシアのNATO加盟を打診したが一蹴された」と述べている。
この驚くべき独白を含む演説の全文(英訳を含む)を掲載したクレムリンのサイトがアクセス不能となっている。
ロシア政府が自らブロックするとは考えられず、この状況を作りだしているのはロシアに敵対する勢力なのは間違いない。
これこそ重大な言論弾圧、民主主義への妨害である。選挙で選ばれた大統領の決断と説明が国民や世界の人々に届かない。国家元首の言説を封じ込め、西側メディアの多くは表面的な批判に終始している。
2)勧善懲悪という単純な図式化
ウクライナ危機にはロシアとウクライナの歴史や文化、NATOの東方拡大、ロシアと欧州各国の関係、米露関係など複雑な要素が絡み合っている。
犠牲者は本当に気の毒だが、その一方でプーチン氏の説明を聞けば、ロシアが最後の手段に出た理由も理解できる。
このため直接関係のない個人や組織が、いきなりウクライナ支持を表明するのは違和感がある。
フェイスブックはいつもながら単純な対立をあおっている。「ワクチン打った」と似たような感じで、「ウクライナを応援してる」というプロフィールにつけるマークが登場した。
小池都知事は都庁をウクライナの国旗色でライトアップした。これまでの経緯や複雑な背景を深く考えることもなく、ウクライナ側につけば世間的にいい印象を与えられるという、単純思考の表れである。
ライトアップへの疑問と反対意見を述べるため、都庁宛のメールで私のブログ記事とリンクを送ろうとしたところ、情報セキュリティ対策のためリンクは閲覧できないという。
このため本件および東京都の外交を担当する政策企画局外務事業課に電話で問い合わせたところ、今回のライトアップを発案・決定したのは小池知事だという。
私は以下の提案を行った。
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ライトアップには以下の理由により疑問があり、反対である。
・プーチン大統領の説明がアクセス不能という問題をはじめ、今回の軍事行動には複雑な背景がある。
・東京都のような公的機関が直接関係のない対立構造をあおり、どちらかの肩を持つべきではない。
・(後述するとおり)経済制裁は的外れであり、それによって困る貿易業者や消費者がいる。ライトアップを見て嫌な思いをする都民もいるだろう。
すでに3月6日までライトアップすると決定して報道発表も行っているので、途中でやめるとなると、それ自体で別のメッセージを送るかもしれない。ただし、さらなる延長や今後のライトアップを検討した場合には、やめるべきだ。
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舛添要一氏は都知事としてはまずかったものの、国際政治学者を名乗るだけあって、小池氏のような風見鶏的な単細胞ぶりとは一線を画している。ウクライナの身の処し方について、いたずらにロシアを刺激せずにフィンランドを参考にしたらどうか、と。私もそう思う。
追記:東京都のアップデートされた報道発表によれば、3月7日~8日は「女性の健康週間大腸がん啓発ブルーライトアップ」を行い、上記ライトアップは予定期間で終了となっている。
3)的外れな経済制裁
ロシアへの経済制裁の多くは、罪のない市民を巻き添えにするという点で、ロシアによる軍事侵攻と本質的に同じである。それどころか、ロシア国民のみならず、ロシアと貿易を行っている日本など諸外国の関係者、消費者も犠牲になっている。
例えば、ロシアの燃料を使っている欧州市民、ロシア産水産物の輸入業者や買い物客など。国際的な政治対立→経済制裁という危険な思考停止ぶりは、空爆→民間人犠牲という図式と何ら変わらない。
まとめ
とどのつまり、プーチンがクリントンに打診したように、ロシアのNATO加盟で一件落着である。それを米国が阻止してきたのが、最大の問題なのは明らかだ。
長年に亘りロシアを追い詰め、最後の手段に出るという苦渋の決断に至らしめ、結果としてウクライナ市民やロシア軍人を犠牲にしたのは、歴代米政権と背後にいるネオコンである。西側メディアの多くは彼らのプレスリリースと化し、都知事に至っては都民の税金で建てた豪華庁舎を使って自らの浅はかさをさらけ出した。
いい加減にしてくれ、アメリカ(のネオコン)😡 彼らこそ厳正なる制裁を受けるべきだ💥