同期トップで東レの取締役に就任し、東レ経営研究所社長になった著者・佐々木常夫氏は、妻の病気と自閉症の息子の世話のため定時退社を励行した。仕事では何を省いて、何を省くべきでないかを徹底的に研究することが重要だと説き、本書ではその結論と理由を詳述している。
省くべきこと
・無駄な戦い。争いはなるべく避ける。人間関係で悩みたくないなら、敵対心は捨てる。
・残業は当たり前という意識。長時間労働=努力、忠誠心という風潮はあっても、結局どれほど残業しても実績が伴わなければ高い評価は得られない。
・よけいな会議には出ない。よけいな書類は読まない。これで貴重な時間ができる。
・人と比べない。さもなければ永遠に競争することになり、底なしの努力を強いられる。
・先入観を持たず、まっすぐな心で人と接する。リーダーに最も必要なのは思いやりと真摯な姿勢。
・打算を捨てる。打算を上回る熱意がなければ、人の心を動かし、記憶に残るいい仕事はできない。
省くべきではないこと
・礼儀正しさ。後輩や若い人にも「さん」づけで敬語を使う。相手は対等な仕事のパートナーと認識されたと感じ、真剣に仕事をしたいと思うようになる。
・出世欲。給与、予算、裁量権があるほど自分の思うやり方を通すことができる。
・哲学、文学、歴史、芸術、科学などの読書。物事の本質を見極める判断力、人を理解し動かしていく人間力を培うのに役立つ。
・食事と睡眠。どんなに忙しくても三度の食事と最低7時間の睡眠をとる。
・悔しいこと、腹の立つこと、思い通りにならないことが次々と押し寄せ、万策尽きたら神様にすがり、何かに手を合わせるのも大切な習慣。人智を超えた力が必死の努力を見守り、味方してくれる。人間の力などたかが知れている、という謙虚な気持ちでいる。