1)当たり前のようにできたこと(旅行、会食)が突然できなくなる
2)時間・お金・健康の三拍子が揃う時期はメチャクチャ貴重
3)人生は自由と孤独の抱き合わせ販売
この連立方程式を解いた結果、元気で誕生日を迎える祝賀行事として関西旅行を計画。最近やりたいと思っていたことを全部やる、というコンセプトだ。
新幹線の道順から、最初の訪問地は紅葉の京都。最新の地元情報を得るためフェイスブックの関連グループに入り、投稿をチェックする。しかしながら、どこも素晴らしくて決められない。駅近くの都市部、北部、南部で紅葉の状況も異なる。
ひとつの目安として、モミジの生えている面積、秋の特別公開、入場料の妥当性で長岡京の光明寺を検討する。JR東海のCM「そうだ、京都に行こう」のロケで使われたお寺だ。だが紅葉情報を見ると、4日前の情報として「色づきはじめ」とある。その一方で京都駅近くの東寺は「見頃」となっていた。
東寺の紅葉は終盤
そこでまず東寺で状況をチェックする。京都駅八条口(南側)から少し歩くが、駅前のタクシー乗り場には長蛇の列ができている。
入場料800円。修学旅行や団体客も来ているが、そこまで混雑していない。紅葉は「見頃」というより終盤に近い。乾燥して先端が縮れた葉も多く、すっかり落葉した木もある。
それでも五重塔や松の木と調和した庭園は美しく、さすが京の都という感じ。
4日前の情報でこれが「見頃」だとすれば、同じ時期の「色づきはじめ」は結構いけるかもしれない。そこで京都駅近くの定食店でササッとランチを済ませ、光明寺に向かう。
JR京都線に10分乗り長岡京で下車、さらに路線バスで20分。京都の寺は広範囲に散在しているため、1日に見学可能な軒数は限られる。できれば1週間程度滞在して各地の紅葉を楽しむのがベストだが、そうなると当然ながら宿泊費がかさみ着替えなどの荷物も増える。
京都なら新横浜から2時間もかからず、それほど遠くはないので、またの機会を楽しみにするのもいい。
光明寺の紅葉はいとおかし
光明寺は1198年に建立。広い境内には500本のモミジがあり、紅葉の時期(今年は11月13日~12月5日)に特別公開される。入場料1000円。平日のためか人は少なめで、関西弁のグループやカップルしかいない。
場所によっては見頃の木もある。
特別公開には京都御所伝来の襖絵なども含まれる(撮影不可)。1264年の亀山天皇・自画像もあり、757年前の原画だ。いかにも古く黒ずんではいるが、顔の表情や雰囲気はわかる。職員の方に聞くと、これまで何度も表装をし直してきたという。
これらの絵画の展示の周辺には、いかにも京都らしい風景が広がる。
最大のクライマックスはモミジのトンネルとなる「もみじ参道」。まだ青葉が残る中、黄色、オレンジ、赤と全ての色が重なり合う。人生で言えば30代終わり~40代の円熟期に差し掛かったところ。青々とした真夏は過ぎたが、最高潮はこれから。
樹齢150年の並木道が続き、仰ぎ見る、遠くまで見つめる、振り返る、をいつまでも繰り返す。この美しい庭園を手がけた造園師の考え抜き洗練されたセンスが光り、千年続いた都の真髄を感じる。日本文化において、上京という言葉は今でも京都に行くことを指すと思う。
全てが真っ赤ではなかったが、まだ落ち葉もほとんどなく、まもなく本格的な見頃を迎える時期こそ「いとおかし」と言える。