就職希望ランキングには例年大手企業の名前が並ぶ。公務員は安定した職業として見合いの条件も有利になる。
中小企業はブラックな職場も多く、誰でも名前の知っている勤め先がいいと世間は考えている。賃貸マンション、クレジットカードの審査は勤務先の知名度と年収が物を言う。
だが大組織だから本当に安泰なのだろうか。
有給休暇、法令遵守、給料など基本的な条件がよいのは確かだろう。
しかし、大組織の給料、特に役職者の報酬が高いのはそれなりの理由があり、決してタダではない。医師や弁護士が高度な専門知識によって高い報酬を得ているのと同じように、大組織の役職者は権力闘争や複雑な人間関係をうまくこなすことによって、高い報酬を得ている。
権力闘争と言うと大げさに聞こえるかもしれないが、「うるせーな、このヤロー。オレの縄張りを荒らしやがって」の応酬に尽きる。
このようなメンタリティーを多くの女性は持っていないが、出世するとイヤでも巻き込まれる。縄張り争いが得意、あるいは好きな人もいるが、「いい人」と周囲から言われるような人は違う。仕事の能力や人柄のよさによって昇進しても、その先のポストでは体力、闘争心、総合的なタフさが物を言う。
私は勤務先の米系大組織で日本人スタッフとして最高の地位に昇格し、本部の上司や同僚と一緒に働いている。彼らはものすごく頭がよく、それ以上に体力が半端ない。ハイレベルの仕事をこなすには頭のよさが必要だが、桁外れの体力があってこそ頭のよさを最大限発揮できる。正直、WASP男性は遺伝子が違う。大英帝国が七つの海を支配したのは、そうした背景があると思う。
そうした中、ポツンとアジア系女性がいるのはラクではない。
私のアドバイスとしては、就職先を選ぶ際に上層部の顔ぶれをチェックしておくことをお勧めする。白人男性一色の組織は、どうしても権力闘争や体力勝負が激しくなる。上層部に女性や有色人種もバランスよく混じっている組織のほうが、スーパーマン以外の人には働きやすいような気がする。