2019年3月25日月曜日

好きなもの、嫌いなもの

 本来の私の仕事でもなく、ただただ面倒くさい件で人物Aがやってきた。彼女はそれを百も承知らしく、ちょっとした手土産を持ってきたのだが、これまた私の苦手な甘納豆であった。

 このダブルでイヤな件を速攻で追い出したく、家に来てくれたマッサージ師の女性に「甘納豆お好きですか?」と聞くと大好きだという。私はその面倒臭い件には触れず、たまたま頂いたが食べられないのでと言って渡すと、彼女はすごく喜んだ。

 同じものでも、喜ぶ人とそうでない人がいる。

 食べ物で言えば、私は基本的に甘いものが苦手だ。最もダメなのは最中と羊羹。こればかりは周囲に誰か人がいれば丸ごとあげてしまうし、いなければ申し訳ないがゴミ箱行きになる。

 ショートケーキの白い生クリームもダメ。スポンジは大丈夫だが、クリームが挟まっている場合は全部ダメになる。これとは反対に、甘いものでも、カスタードクリームは大好きだ。

 最悪なのは甘酒。保育園の頃に無理矢理飲まされ、トラウマ体験として強烈に記憶されている。甘酒っぽい匂いが少しでもするものは完全NG。なので日本酒は飲まないし、この1年近くはアルコールを一切飲んでいない。

 チョコレートは大丈夫と言えば大丈夫だが、積極的に自分で買うことはめったにない。

 クラシック音楽はブラームスが最も好きで、ほかにチャイコフスキー、ベートーベン、ショパン、グリーク、ヴェルディなど。逆にマーラーは退屈の一言で、何がいいのかさっぱりわからない。

 クルマはBMWはカッコいいと思うが、ベンツは好みではない。ロレックスの時計を最近見にいったが、正直どうでもいいと思われ、庶民の家庭で育った私としては、これに何十万、あるいは何百万もかける意味が理解できない。

 同様に、イブサンローランの7万円近くする財布、エルメスの70万円するコートも理解不能である。

 その一方で、私はクラシック音楽やスピーカーにこだわりがある。PC用のスピーカーとしては最高クラスの5万円もするものを使っている。もっとじっくりと音楽を楽しみたい時には、半年かけて都内のあらゆるオーディオマニアの店を訪れ、店員に閉口されるほど厳重にチェックして最終的に選んだデンマーク製のスピーカーを使う。両方で60万、それに合わせて買った10万のアンプ、特別なケーブルと合計して80万円近くをブラームスのピアノ協奏曲を聴くために投入した。

 知人に話すと、どのスピーカーでもあまり差がよくわからないし、クラシック音楽のコンサートに何万円もかける意味は感じられない、と言う。一方で、その知人の顧客に世界的に有名なオーケストラのバイオリン奏者がいる。彼女はほんのちょっとした雑音にもすごく敏感で、静かな室内でマッサージを受ける時でも耳栓が必要だという。

 人間の感性は千差万別で、それによって好きなもの、嫌いなもの、価値を見出すもの、どうでもいいものが、かなり分かれる。