2021年9月27日月曜日

首都圏から日帰り 河口湖観光のコツ

 秋田犬+十和田湖を含む東北旅行の検討を重ねた結果、やはり慣れない土地でひさしぶりに車を運転するのはやめることにした。

 やや残念に思っていると、富士山で初冠雪のニュース。そうか、富士五湖があったな。河口湖までは鉄道や高速バスも出ている。ラジオの交通情報でも聞き覚えのある「中央道日野バス停」から1時間ちょっとで行けるようだ。

「まるで滑走路」とは大違い

  河口湖と言えば、13年前の今頃に母をドライブに連れて行った。東京郊外から行きは1時間半とすぐに着いたが、帰りは中央道の大渋滞に2時間も巻き込まれて3時間15分もかかった。

 この間に母の具合が悪くなり、すごくあせった。渋滞で身動きが取れず、サービスエリアもはるか先。ついに車が動き出した時にはすでに地元のインターの近くで、高速を降りた所にあるコンビニの駐車場でようやく休憩できた。その頃には母の調子は回復していたものの、かなり疲れていた様子だったので、もう渋滞の可能性のある遠出のドライブは無理だろう、と当時の日記にある。

 夕方の中央道上りは相当な覚悟が必要だ。行きはよいよい、帰りは怖い。。それが「中央フリーウエイ」の現実。まあ歌詞からして、都会から八王子に向かうドライブで順調だったのだろう。

 喉元過ぎれば熱さを忘れる。13年前にあれほどあせったことは頭から抜けていた。

 高速バスの行きはスムーズで予定時刻の2分後に到着。だが帰りは小仏トンネルで事故のため、予定の倍も時間がかかった。

 外はすっかり暗くなり、テールランプの赤い光がずっと先まで続いている。この光景を見るとどっと疲れが増す。乗っているだけでもグッタリ。運転者のほうが緊張感がある分、まだましなのだろうか。いずれにせよ、渋滞には独特の疲労感が伴う。

 こうした体験から、河口湖観光は中央線・富士急行線の特急列車+現地の周遊バス(もしくはレンタサイクル)をお勧めしたい。

お天気次第の展望台

 富士五湖観光の目玉は文字通り、富士山である。間近に迫る迫力は新幹線でついでに見る姿とは違う――もし運がよければ。

 今回の旅行では、天気予報では快晴にもかかわらず、途中まで雲が立ち込めて小雨まで降り出していた。だが目的地が近づくにつれて急に雲が消えてきて、バスの車窓から美しい富士山を望むことができた。


 ロープウエイの先にある展望台からは、雄大な富士山を望める(ことになっている)。

 だが残念なことに、現地はすっぽり雲に覆われていた。朝は急に雲が晴れてくれたので、それを期待して待つこと1時間半。だが雲は動いてはいるものの、富士山の裾野から山頂まで覆う雲はなくならず。

 まあ車窓からきれいな富士山を拝めたので、それでよしとしよう。ロープウエイからは河口湖のほぼ全景と周辺の街並みを眺めることができた。

 ちなみに河口湖駅に隣接した観光案内所には、ロープウエイや遊覧船など各種アトラクションの割引券が置いてある。これをゲットすれば、ロープウエイは定価900円が810円になる。


 期待していた雄大な富士山を見て満足できたら、家路に向かい帰りに立川で買い物でもしようと思っていた。だが曇り空でやや不満が残り、途中の看板で見かけた「河口湖猿まわし劇場」を検討。ちょうど路線バスが来るようなので、行ってみることにした。

 バスの途中には、13年前に行った「オルゴールの森 美術館」から名称変更した「音楽と森の美術館」がある。当時は弦楽四重奏のライブコンサートをやっていたが、現在はコロナ対応で中止。

アニマルウエルフェアを考えると。。

 猿まわしは午前11時半、午後1時半の2回上演している。ウエブサイトのクーポンを受付で見せると、入場料1700円が1350円になる。

 会場に入ると、寂しいことに2組しか客がおらず、あまりにもがらんとしていた。最前列中央が空いているので、そのエリアに座る。17歳と6歳のサル2匹が登場。天井に届くほどの長い竹馬をバランスよく歩き続け、ボールに足で乗りながら階段を下りる。調教師の言葉を理解して深々とおじぎをしたり、使った道具を片付けたりする。

 ショーの終了後に写真撮影をすると、調教師に促されてカメラ目線になる。

 劇場の外には、子ザル数匹を飼っている檻もある。猿まわし団のYouTubeチャンネルを登録すると、ここにいるサルにあげるエサ(通常100円)をサービスするという。

 全体的にオリンピックをテーマにした見事な演技は圧巻だった。だがアニマルウエルフェアの観点から、生き物がヒモでつながれ、商業利用のために厳しい訓練を受けている、というのは考えさせられる。

 またエサを与える時間が客の都合でバラバラというのも、健康上大丈夫なのか。糖尿病になったりしないのだろうか。

 こうした感覚は、動物はかわいいとは思うものの、自分ではペットを飼いたくない最大の理由にもつながる。人間は強制労働に従事した奴隷を解放し、ハンセン病患者の不妊手術を反省する一方で、自分の癒しのためにペットを鎖でつなぎ、去勢手術を行う。その一部始終を動画にアップしてYouTuberとして稼ぐ人も少なくない。

 ペットの存在を全否定するものではないが、自らの手によって動物の自由や生殖能力を奪い、苦痛を与えたくはない。生物は本来いる場所で自然に生きるのがベストだと思う。

 そう考えていくと、ヒトとして自然な生き方とは何だろうか。

 梨園の家に生まれた男性は歌舞伎役者として生きる。幼い頃から厳しい稽古を重ね、高齢になっても舞台に立ち続ける。そうしたプレッシャーのためか、がんなどで早世する役者も少なくない。

 あるいはスポーツ選手も、もともとは好きで始めたとしても、プロやオリンピックでやって行くにはメチャクチャ厳しい練習が必要になる。そうして試合に勝ち、表彰台に上って喝采を浴びると同時に、放映権ビジネスや利権として利用される。

 冷静に見てみれば、スポーツ選手は練習のしすぎでケガが絶えない。運動とは本来、健康目的で行うもので、やり過ぎは逆に健康を損なう。これでは本末転倒であり、本質的に商業目的の見世物という点で、猿まわしやサーカスと何ら変わらない。

 あるいは勤め人も物理的な鎖やヒモにつながれていないだけで、月~金、毎日最低8時間を雇用主や就業規則にしばられる。そして会社や株主の利益のために一生懸命にスキルを磨いて働く。脳トレにはなるし、世の中の動きがわかり、仕事仲間とも知り合えるといったメリットもあるが、全体として人間本来の生き方なのか。

 河口湖再訪をきっかけに無限ループの思考がグルグルと回り出す。いずれにせよ家にこもりきっているより、いい刺激にはなった。

全体的な子供だまし感はぬぐえない

 富士五湖でも河口湖駅周辺は上記のように商業施設が目立つ。頑張っているので否定したくはないのだが、日本独特の子供だましの感じというか。イギリスの湖水地方やドイツの田舎のような洗練された大人の感覚には至らないのが、残念なところだ。

 自然をもっと満喫したければ、現地でレンタカーを借りて西湖などに足を延ばしてもいいかも知れない。