先日、行きつけの歯科で元同僚にばったり会った。待合室で座っていると「Nekoさん!」と声をかけられ、おたがいにビックリ。彼女に紹介してもらった先生のクリニックなので、それほど驚くことではないかもしれないが。。
ひととおり近況をしゃべりながら「元気そう」と何度も言われた。たしかに職場にいた頃、特に最後の2~3年は疲れ切っていた。今ではいつでも昼寝をできて平均9時間睡眠。好きなことだけをやり、食べたいものを食べ、カロリーをコントロールしつつ有酸素運動を毎日30分。ストレスゼロで健康的な生活の賜物だろう。
あとは悩みとも言えない悩みとして、ヒマというのがある。コロナでなければ旅行に行きたいところだが、そうした遊びを十分にできないことがヒマの主な原因である。
知的刺激として仕事をすればいいかと思いきや、そう簡単ではない。最近気づいたのだが、今まで自分がやっていた仕事の多くは、仕事だから興味を持とうと努力した結果として興味を持っていたにすぎない。働く必要がなければ、真に関心があったわけではない。
地球温暖化問題はその一つ。もちろんこれ以上悪化しないようにと個人的に願う。だが昨今起きていることは、すでにIPCCやニコラス・スターン卿が壊れたレコードのように言ってきた内容である。飽きっぽい私としてはお腹一杯。要するに人口が多すぎることが問題であり、すでに大富豪たちはコロナ禍を利用して解決に着手しているように見える。私ができることは、このペテンに引っかからないように注意することくらいだ。
元同僚とそんな話をしたあと、別れ際に「なにか面白そうなヒマつぶしがあったら教えて」と頼んだ。すると「何に興味があるの?」と聞かれてハタと気づいた。そうだよね。何が面白いかって人によって全然違うよね。。
老後資金の目途はつき、お金のために働く必要はない。これまで長期的に見て明らかにキャリアアップに役立つ仕事、もしくは年収が上がる仕事でなければ転職する意味はないというモットーで働いてきた。さらには1円単位で家計簿をつけて支出を分析し、計画的に資産管理をしてきた賜物である。
働きたいと思えば、頭をフル回転させて経験分野の仕事はできるだろうし、TOEIC満点も取ったのでTOEIC講師の口に応募もできるだろう。だがTOEICにはもう興味はない。履歴書にTOEIC満点と書けることには意味はあるが、この期に及んでETSの意向を忖度し、傾向と対策に終始するのは時間の無駄にしか思えない。
そこで突如として思い出したのが、歌舞伎である。私の父は歌舞伎鑑賞の年間会員になって足しげく劇場に通い、自分でも日本舞踊を習っていた。お父さんがあれだけハマっていたんだから、本質的な魅力があるのかもしれない。
これまで何度か歌舞伎を観たことはあるが、演目としては勧進帳しか印象に残っていない。もっと背景知識や歴史を学び、一流とは何かを感じ取る眼力を持つことができれば世界が広がるかもしれない。
そう思わせてくれたのが、坂東玉三郎丈のインタビュー動画である。歌舞伎座でやっている「四谷怪談」と「玉三郎」をツイッターで検索してみると絶賛の嵐。お岩さんを玉三郎、相手役を片岡仁左衛門という人間国宝コンビである。
人間国宝は「重要無形文化財に指定される芸能を高度に体現できる者」として文化審議会(文化庁の諮問機関)が決める。文化庁から年間200万円の助成金が出て合計額も決まっているため、人間国宝には人数制限があり、歌舞伎役者では現在7人しかいない。
そう思うと、とにかく現在上演されている四谷怪談を見に行くしかない。9月末の千秋楽までチケットは完売だが、ダメ元で主催者・松竹のサイトに行ってみる。
すると信じがたいことに、今週末にメチャクチャいい席が1つ出ていた。おそらく松竹の特別会員が直前に行けなくなって放出したのかもしれない。2階席の前列で天皇陛下が鑑賞する際のエリアである。ツイッターの投稿者によれば、この作品では2階席からでないと十分に堪能できない動きがあるらしい。まさに完璧。。!
とりあえず一流と言われるものに触れて本質を探究する。こうした贅沢なヒマつぶしに当面の時間を費やしてみようか。
