2019年3月31日日曜日

家計簿をつける効用

 私はこの数年、1円単位で家計簿をつけている。

 コンビニ、スーパーなどで必ずレシートをもらい、自動販売機で買ったお茶など全ての支出をエクセルに入力する。支出の日付、内容、金額を大まかな項目別(食費、医療費、美容費、キャリア、娯楽、交通費、光熱費など)に書き入れる。洋服でも仕事に使うスーツであればキャリアの項目、くたびれてきたコートの後継であれば生活雑貨の項目に入れる。

 月末には各項目の合計額および支出の総合計額を出す。月別の傾向がわかるように、合計額の列を年間のシートにコピペする。年末には全ての総合計を出し、何にいくら使ったのか、どこか削れる支出はなかったのかを分析する。

 すると、「あれ、2月に生活雑貨にこんなに使ったのは何かな?」とか「今月は体調が最悪だったから、マッサージに結構使ったな」とかが見えてくる。

 地下鉄に乗る代わりに歩くだけで165円浮き、それが10回となれば1650円となり、しかも歩くことによって運動効果も得られる。

 個人的なつきあいがない職場の同僚の冠婚葬祭は、あっさりと断る。1人をやりだすときりがなくなるので、よほど世話になっている人以外は基本やらない。いちいち数百円出して、寄せ書きにうわべだけのメッセージを書き、そのやり取りのメールで仕事が中断され。。。月2人いれば年間で1万2000円になり、そのうえ仕事の効率性も奪われる。

 なにかおめでたいことがあれば、本人にニッコリと「おめでとうございます」と直接言ったほうが、形式的なプレゼントよりもうれしいのではないかと個人的には思っている。

 まあ、こうするのも変人扱いを覚悟の上だが、特に仕事上の支障は感じない。むしろ無駄が省けて、面倒臭い人間関係に巻き込まれないで済む。

 ここまで出来るのも、きっちり家計簿をつけていることが大きい。全ての支出には意味があり、無駄なお金は1円も使っていない。高いからやめておこう、安くておトクだから買っちゃえといったお金の使い方もしない。

 事ほど左様に自分はかなりストイックなので、ついストレスがたまる傾向がある、ということも自覚している。月の支出上限を決めておき、年間平均で守りつつ、数カ月連続して娯楽費がゼロであれば、じゃあ今月は映画に行ってみようとか計画する。もちろん六本木ヒルズクラブのポイントで行ければそれを使うし、半日有給を取って女性割引の日に行くなどして、もろに1800円使うことはほとんどない。

 このような現実的な計算に基づいて老後資金を計算し、仕事がイヤになったらいつでも辞められるようにしておく。だからこそ、こうじゃないですかと正しいことを言うことも怖くないし、なめられることもなく、逆にいい仕事ができるとすら言える。

 「大丈夫なの?」「慎重にね」と心配してくれる方もいるが、そうした人は実は家計簿すらつけておらず、自分が何にいくら使っているのかを把握していなかったりする。だから無意識のうちに無駄なお金を使い、働かなきゃいけないと思い込んでいる人も世の中には結構いるような気がする。

2019年3月28日木曜日

理不尽な状況に対処する

 ベテランの同僚が言う。理不尽な行為をする人物には、職場以外に彼自身の問題がある可能性が高い。家庭不和、個人的な悩みなど。できればランチではなく、お酒の入った夕食でじっくり話してみるといい。そこで本音を聞く。

 相手が上司であれば、イメージとしては彼が運転席に座り、ハンドルを握ったままの状態を保ちつつ、後ろからそっと彼の手の上に自分の手を置き、方向をシフトさせる。

 これは男性同士ではいいのかもしれないが、どちらかが女性の場合、中々チャレンジングだと思う。マスコミなどあまり堅くない仕事であれば、可能かもしれない。だがお役所で男性上司と女性部下が一対一で飲みに行くというのは、少なくとも私のいる状況ではかなり目立つ行為である。ただ、誰かもう一人入ればさほど不自然ではないので、そうした機会を作るという手もある。

 こういうことをつらつら考えるに、やはり女性はマイノリティーなので不利な立場だと思う。女性上司に仕えたときは、かなりやりやすかった。彼女の家に遊びに行き、彼女の家族と一緒に近所の水族館に連れて行ってもらった。あるいは二人でレセプションに行き、その場で交わした会話も男性上司との会話ではちょっとできない、親しい本音を聞くこともできた。男同士だとこうしたことは日常茶飯事なのだろう。

 おそらく最もプレッシャーがなくて済むのは、立食パーティーで偶然会うという状況だろう。この場合、相手がかなりの上級管理職であっても、通常のプロトコールに関係なくグラスを片手に会話を楽しむことができる。その中で最近の組織改変や戦略の話などもポロッとできるかもしれない。

2019年3月25日月曜日

好きなもの、嫌いなもの

 本来の私の仕事でもなく、ただただ面倒くさい件で人物Aがやってきた。彼女はそれを百も承知らしく、ちょっとした手土産を持ってきたのだが、これまた私の苦手な甘納豆であった。

 このダブルでイヤな件を速攻で追い出したく、家に来てくれたマッサージ師の女性に「甘納豆お好きですか?」と聞くと大好きだという。私はその面倒臭い件には触れず、たまたま頂いたが食べられないのでと言って渡すと、彼女はすごく喜んだ。

 同じものでも、喜ぶ人とそうでない人がいる。

 食べ物で言えば、私は基本的に甘いものが苦手だ。最もダメなのは最中と羊羹。こればかりは周囲に誰か人がいれば丸ごとあげてしまうし、いなければ申し訳ないがゴミ箱行きになる。

 ショートケーキの白い生クリームもダメ。スポンジは大丈夫だが、クリームが挟まっている場合は全部ダメになる。これとは反対に、甘いものでも、カスタードクリームは大好きだ。

 最悪なのは甘酒。保育園の頃に無理矢理飲まされ、トラウマ体験として強烈に記憶されている。甘酒っぽい匂いが少しでもするものは完全NG。なので日本酒は飲まないし、この1年近くはアルコールを一切飲んでいない。

 チョコレートは大丈夫と言えば大丈夫だが、積極的に自分で買うことはめったにない。

 クラシック音楽はブラームスが最も好きで、ほかにチャイコフスキー、ベートーベン、ショパン、グリーク、ヴェルディなど。逆にマーラーは退屈の一言で、何がいいのかさっぱりわからない。

 クルマはBMWはカッコいいと思うが、ベンツは好みではない。ロレックスの時計を最近見にいったが、正直どうでもいいと思われ、庶民の家庭で育った私としては、これに何十万、あるいは何百万もかける意味が理解できない。

 同様に、イブサンローランの7万円近くする財布、エルメスの70万円するコートも理解不能である。

 その一方で、私はクラシック音楽やスピーカーにこだわりがある。PC用のスピーカーとしては最高クラスの5万円もするものを使っている。もっとじっくりと音楽を楽しみたい時には、半年かけて都内のあらゆるオーディオマニアの店を訪れ、店員に閉口されるほど厳重にチェックして最終的に選んだデンマーク製のスピーカーを使う。両方で60万、それに合わせて買った10万のアンプ、特別なケーブルと合計して80万円近くをブラームスのピアノ協奏曲を聴くために投入した。

 知人に話すと、どのスピーカーでもあまり差がよくわからないし、クラシック音楽のコンサートに何万円もかける意味は感じられない、と言う。一方で、その知人の顧客に世界的に有名なオーケストラのバイオリン奏者がいる。彼女はほんのちょっとした雑音にもすごく敏感で、静かな室内でマッサージを受ける時でも耳栓が必要だという。

 人間の感性は千差万別で、それによって好きなもの、嫌いなもの、価値を見出すもの、どうでもいいものが、かなり分かれる。

2019年3月24日日曜日

禁酒の効用(2)

 昨年5月から続けている禁酒がついに10カ月半に突入。前回このテーマでブログを書いた12月の時点で感じた効果は、睡眠の質の向上とダイエットであった。

 今でもこうした効果は続いているが、最近とみに感じるようになったのは記憶力の劇的な向上である。

 これが禁酒のためなのか、あるいは別の理由があるのかはわからない。強いて言えば、ほぼ同じ時期に毎日運動を始めたので、その効果なのかもしれない。

 いずれにせよ、例えば「〇〇年〇月〇日、〇時頃、XXはこう言った」だとか、あの文書には△△という記述があったとか、そういうことを鮮明にすらすらと思い出せるようになった。

 このため、ある件について関係者のこれまでの全ての発言、書面の内容などを頭の中に並べてみた。すると、人物Aが〇〇年〇月〇日に言っていた内容と、 XX年X月X日に言っていた内容は全く違うということに気づいた。そして文書Bに△△と書いている内容からして、Aは最初からYYという意図だったのではないか、などとある筋書きが見えてきた。
 
 これがいいことなのか、悪いことなのか、知らぬが仏だったのか。

 一つ言えることは、物忘れや中年太りは年のせいではない。1年近く禁酒して運動してみれば、見事解決できる問題なのだとわかった。

2019年3月22日金曜日

Review: The Other Side of Midnight

What a story......after the first read of thirty years ago, I had completely forgotten the plot. My three decades' experience brought a different depth of appreciation for this utterly compelling novel.

A French girl Noelle born from an average mother who is a "heavyset, coarse-featured peasant woman with sagging breasts and thick thighs and hips" turned out to be exquisitely beautiful -- due to her real biological father, a strapping Norwegian sailor with whom her mother had a one-night stand. 

Taking advantage of her exceptional physical appearance, she began her career as a model in Paris, where she met Larry, who is an American pilot serving in the Royal Air Force during WWII. A hopeless womanizer, he knocked her up and promised to marry her after his week-long assignment in London. But Larry dumped her with no further contact.

In the meantime in Chicago, a wonky and ambitious Catherine managed to get out of her humble background by obtaining a scholarship at Northwestern University. She then grasped a chance to work for Bill, a spokesman at the State Department in DC. Almost on the verge of getting engaged with her own boss from an old money-laden family, she met Larry while he was back home. Catherine had always felt Bill was so nice that he was a bit boring and their sex was not that exciting, whereas Larry was an utterly irresistible lover. Consequently, Catherine dumped Bill and married Larry.

Meanwhile in Paris, purely for the sake of revenge, Noelle intentionally delayed her abortion until the latest stage of pregnancy, indulging the idea of murdering the child of its father. Hiring a capable private detective, she collected all personal data on Larry, including information about his marriage with Catherine. With the sole objective of attracting Larry's attention, Noelle rose to stardom and became an international movie star.

Noelle found that after WWII Larry was jobless, and made an arrangement that her paramour, a tycoon named Constantin hire Larry as his private jet pilot. Afterwards, Noelle and Larry had a clandestine affair in Berlin, her hatred turning into irresistible affection. While Larry was happily married with Catherine, that changed everything and he requested a divorce. She rejected, and Noelle and Larry schemed her successful murder. They were caught in their crime, sentenced to death and executed.

夫婦別姓の意味

 私は20代で新聞記者をしていた頃、選択性夫婦別姓について取材した。日本では結婚するとどちらかが自分の苗字をやめて、相手の姓を名乗ることが義務づけられている。

 私の知り合いでは少なくとも2人、女性側が戸籍筆頭者となり夫が彼女の姓を名乗っているが、それ以外は全員女性が夫の姓を名乗っている。

 会社の合併に例えれば、三井住友銀行ではなく三井銀行になるといった感じだろうか。

 この問題に熱心に取り組んでいるのは、日本人男性のパートナーのいる女性という印象である。実際、私も20代の頃はそうした将来を想像したからこそ、選択的夫婦別姓に関心を持った。

 だが50を過ぎた現在では結婚する予定はなく、今さら誰かと共同生活をするとか、財産を共有して人生を複雑化させたくない。

 だいたい仕事に大半のエネルギーを奪われ、友達とゆっくりお茶する時間も持てない。この問題については解決策を見出そうと努力している最中ではあるが。。。

 なので今となっては、選択的夫婦別姓はもはや他人事となってしまった。

 しかしながら、世間のプレッシャーや「常識」、あるいは好きな男性の苗字を名乗るという喜びによって姓を変えた女性でも、葛藤や悩みがあるんだなと感じることがある。

 例えば、山田花子さん(仮名)という女性がいる。彼女は仕事関係では旧姓のまま高橋花子と名乗る一方、プライベートでは戸籍名の山田花子を使っている。

 個人的な関係で彼女と知り合った私は、当然ながら「山田さん」と呼んでいた。だがある時、「山田って言われると、すごい違和感があるのよね」と言われ、それ以来彼女のリクエストで「花子さん」 と呼ぶようになった。

 しかし、やがてまた山田花子と彼女自身が自分を呼ぶようになった。

 どちらがお望みなのか、あるいは「高橋さん」がよいのだろうか。

 おそらく、夫との関係が良好なのか、そうでないのかによって、彼女の感情は揺れ動き、どう呼ばれたいのかが変わるのではないかと想像する。だが、そうした微妙な感情は本人以外にわかる由もない。もちろん、私としては彼女の望む呼び方を尊重したいわけだが、はっきりと具体的にご希望を言ってくれないことにはわからない。

 こうした例は花子さんだけでなく、別の女性にも見られた。プライベートで知り合った田中明子さん(仮名)。「田中と呼んでください」と言うので従ったわけだが、彼女の旧姓は鈴木で、職場では鈴木明子で通している。

 田中さんと私は同じ分野の仕事をしている。共通の知人とプライベートな場で会った時にいつも通り「田中さん」と呼んだら、「鈴木と呼んでください!!」とすごく怒られた。私は「田中と呼んでください」と書かれた彼女のメールを本人に転送し、「そう言われたのでお望み通りにしたつもりですが、今後鈴木さんのほうがよければそうします」と書いた。すると彼女は謝り、田中でいいと言う。

 正直、私はこうした件に困惑する。そしてヒステリックとも受け取れる複雑な感情に同情しつつ、やはりちょっと引いてしまうのも事実である。

 いずれにせよ、おそらく男性はこうした葛藤を持つことは、ほとんどないだろう。

山王病院の魅力

 本当はこんな耳寄り情報を教えたくはないのだが、私のブログを読んでくださる方にはそっとお伝えしたい。

 誰でも病院に行くのが好きだという人はいないだろう。当然ながら気が重く、待合室で待っている間の不安感。さらに権威主義的な医師に冷たくあしらわれた日には、落ち込みが数日間は続く。
 
 赤坂8丁目にある山王病院は、そうした病院ストレスがほぼゼロと言ってよい。

 まず入って驚くのだが、椅子などの家具・調度品が素晴らしい。趣味のよい素敵な油絵もしつこくない程度に飾られている。病院というより高級ホテルの雰囲気である。


 このためビニールの擦り切れた椅子で待っている時のような、みじめな感覚を味わうことはない。

 内科は循環器、消化器などの専門分野別に分かれ、皮膚科、耳鼻咽喉科、整形外科、泌尿器科、眼科など一通り全部の診療科が揃っている。検査もX線、CT、MRIなど全てでき、不思議とまったく検査は混み合っていない。

 複数科を受診する場合は、「空いている科から」「まずは気になっている〇〇科から」といった患者の希望を聞いてくれる。再診で薬だけでいい場合は、混み合っている診療科でも割り込んでサッと診察を済ませてくれる。

 医師は患者の質問、不安、要望に応えるべく全力を尽くし、権威主義的で威圧的な医師は一人もいない。 看護師、検査師、会計、受付など全てのスタッフがみなテキパキしていると同時に、とても親切で感じがよい。

 CTやX線の撮影では、普通の病院では甚平のような着衣に着替えさせられることが多い。正直、いちいち着替えるのは面倒である。しかも、検査用の着衣は1回1回洗濯されておらず、別の患者が着たものを肌にじかに着るのは、すごくイヤで気持ち悪いものだ。

 山王病院では、ネックレスなど外すもののリストの紙を患者に渡し、患者自身が見ながら外して紙にチェックし、検査師に渡す。こうして検査に不必要なものは排除されるため、着替える必要がない。

 全ての診療科の診察が終了したら会計を済ませ、クレジットカードも使える。薬局は会計のすぐ隣にあり、 会計後に薬を受け取って全て終了。院外処方で待つ必要がない。

 診察や検査が長引いてランチを取りたければ、7階にレストランがある。これまた、病院の食堂という雰囲気ではなく、わざわざ友達と素敵なランチをしに行く場所という感じだ。パスタ、ピザ、カレー、サンドイッチなどのほか、3000円以上するランチコースもある。

 これだけセレブ仕様で施設の完備した病院ではあるが、大学病院などの特定機能病院ではないため、紹介状がなくても5,000円の初診料はかからない。保険診療であれば点数で診察料が決まっているので、ほかの病院と料金は変わらない。

 月1~2回、医師や看護師がコンサートを行い、ロビーにあるグランドピアノはそこで使うようだ。患者や関係者でなくても聞きに行くことができる。

 こんな素敵な病院でありながら、近隣にある虎ノ門病院ほど知られていない。虎ノ門病院は4~5時間も待つという話を聞くが、山王病院では各診療科で長くてもせいぜい1時間程度。全体的な連携と効率がよいため待ち時間が短縮され、待つとしても素敵な椅子でフワフワなので、ゆったりとした気持ちでいられる。

2019年3月16日土曜日

赤坂見附と赤坂の似て非なる違い

 銀座線と丸の内線という東京メトロの老舗ラインが交差する赤坂見附。理論上は永田町ともつながり、半蔵門線と南北線と合わせて4線が乗り入れている。

 だが地上に出てみるとビックカメラと飲食店くらいしかない。ホテルニューオータニが外堀通りをはさんである程度。わざわざ赤坂見附に来るというより、交通の利便性の結果、じゃあ赤坂見附にしましょうか、という感じかもしれない。

 これに対して赤坂駅は千代田線しか通っていないが、TBS、博報堂やロイターの入った大きなオフィスビル、衆議院議員宿舎、タワーマンション、古くて手頃な家賃のマンションなど忙しいプロフェッショナルの職住近接地となっている。

 スーパーも4軒ほどあり、値段はやや高いが24時間営業のマルエツのほか、もう少し庶民的な店やオーガニック専門店もあり、ネットスーパーも合わせて使えば生活に困らない。

 六本木のようにガチャガチャしておらず、歩行者もあまり多くないので、歩くストレスもない。赤坂通りに暴力団の事務所がある一方、パトカーが頻繁に巡回している。

 このため、忙しい仕事でかなり疲れている勤労者や経営者に対応した商売をするなら赤坂だと思う。こうした人々は常識もあるので、あまり変なことにもならない。

2019年3月15日金曜日

科学者と政治屋の違い

 私は以前の仕事では長年に亘り科学者や理系の方とのお付き合いが多かった。彼らは自然現象の確認をするのが仕事なので、いきなりそこで大嘘をつくのはありえない。その後の仕事の全てが崩壊してしまう。

 だが商売とか政治は自然現象の確認をしているわけではなく、いかに自分に有利に物事を進めるかを追求している。

 このため、後先のことを考えずに大ぼらを吹いたり、悪い噂を流したり、他人がやったことを自分がやったと主張したり、ということが日常茶飯事である。

 ある人物の発言を冷静に後から思い出してみて、矛盾していないか、矛盾があればそこから何が読み取れるか。そうした分析をすることで、私は現状を把握する

 だが、適当にその場をしのげればよいと思う人は、そんなことも気にしないようだ。なんかすごいなと思う。

2019年3月10日日曜日

率直な対話の意味

 大組織の総合職は定期的に人事異動がある。せっかく仕事や必要な知識を覚えたのに、また一からやり直しになり常に勉強が必要とされる。

 一つの専門性を極めた人がずっと担当していたほうが、効率がよいかもしれない。実際、高度な専門分野では、大きな組織でも同じ人物がずっと同じ管理職を務めているケースがある。理系の博士号が必要とされ、一つ間違えると取り返しのつかない難しい仕事の場合、2~3年ごとの異動による生半可な知識で担当するわけにはいかない。

 そうなると何十年も同じ人が、いわば小さな王国の王様として君臨する。そして王国が自分の世界の全てとなり、縄張りを守ろうとする意識が強く働く。

 さらには、どう考えても王様がおかしいことをやっても、誰も直言できなくなる。往々にして一つの高度な専門性を究めた人は、その他の分野に疎く、驚くほど無知でとんでもないことをすることもある。それほど深刻な事態になる前に、周囲の人が言ってあげれば本人が気づいたかもしれないのに、「王様は裸だ」と言えるのは部外者の子供しかいない。

 そしていつの間にか傲慢になり、自分が傲慢だということにすら気づかなくなる。

 最近、私は思い切って自爆テロのつもりで王様に直言した。そこまで言ったら、もうここでのキャリアは終了したと思ったのだが、意外にも本人は完全に態度を変え、謝罪すらした。本当はいい人なのではないかと私は思い始めた。だが周りがあまりにも何も言わないがために、おかしなことになってしまった。ある意味でそうした環境の被害者という言い方もできる。

 だが、私のように勇気のある人はめったにいない。別のネガティブな結果がこれから出てくる可能性もあるだろう。それでも物事が動き始めたのは事実である。

2019年3月2日土曜日

大組織で働くことの大変さ

 就職希望ランキングには例年大手企業の名前が並ぶ。公務員は安定した職業として見合いの条件も有利になる。

 中小企業はブラックな職場も多く、誰でも名前の知っている勤め先がいいと世間は考えている。賃貸マンション、クレジットカードの審査は勤務先の知名度と年収が物を言う。

 だが大組織だから本当に安泰なのだろうか。

 有給休暇、法令遵守、給料など基本的な条件がよいのは確かだろう。

 しかし、大組織の給料、特に役職者の報酬が高いのはそれなりの理由があり、決してタダではない。医師や弁護士が高度な専門知識によって高い報酬を得ているのと同じように、大組織の役職者は権力闘争や複雑な人間関係をうまくこなすことによって、高い報酬を得ている。

 権力闘争と言うと大げさに聞こえるかもしれないが、「うるせーな、このヤロー。オレの縄張りを荒らしやがって」の応酬に尽きる。

 このようなメンタリティーを多くの女性は持っていないが、出世するとイヤでも巻き込まれる。縄張り争いが得意、あるいは好きな人もいるが、「いい人」と周囲から言われるような人は違う。仕事の能力や人柄のよさによって昇進しても、その先のポストでは体力、闘争心、総合的なタフさが物を言う。

 私は勤務先の米系大組織で日本人スタッフとして最高の地位に昇格し、本部の上司や同僚と一緒に働いている。彼らはものすごく頭がよく、それ以上に体力が半端ない。ハイレベルの仕事をこなすには頭のよさが必要だが、桁外れの体力があってこそ頭のよさを最大限発揮できる。正直、WASP男性は遺伝子が違う。大英帝国が七つの海を支配したのは、そうした背景があると思う。

 そうした中、ポツンとアジア系女性がいるのはラクではない。

 私のアドバイスとしては、就職先を選ぶ際に上層部の顔ぶれをチェックしておくことをお勧めする。白人男性一色の組織は、どうしても権力闘争や体力勝負が激しくなる。上層部に女性や有色人種もバランスよく混じっている組織のほうが、スーパーマン以外の人には働きやすいような気がする。