私は物心ついたときから外国、特に西洋的なものに関心があった。
初めて訪れた外国はイギリスで、今でも最もしっくりくる素敵な国だ。仕事をするならアメリカが最高だと思う。日本で恵まれた家庭に育った男性なら日本なのだろうが、結局のところ狭い村社会の既得権益者でない限り、日本で働くのはハッピーではないというのが私の率直な感想である。中国は民主主義ではないが、国家としての長期戦略や政治を観察するのは面白い。
日本は食べ物がおいしく、平均的なサービスの質が高く、治安がよい。その一方で不愉快な点は、マナーの悪い男性が散見されることだ。先日、銀座線で大きなリュックサックを背負った白人女性が乗っていた。通路をふさいで確かに邪魔ではあったが、男性がいきなり彼女のリュックをどつき、何も言わずに押しのけて出て行った。女性は驚いた顔をしていたが、よく見られる光景である。出て行く側が日本人女性であれば、「ちょっとすみません」と声をかける人がほぼ100%だろう。
友達と地下鉄に乗り、前の座席が空いて彼が私に座るようジェスチャーをしたので座った。隣の中高年男性が「ガイジンさんは優しいね」と言う。そういえば母がニューヨークに行った時、地下鉄に乗った瞬間4~5人が一斉に立ち上がり席を譲ろうとしてくれたことに感動していた。
これは一つの例であり、日本の家では男はふんぞり返って何もせず、来客にお茶を出すのはいつも奥さんだったりする。 それとは逆に、アメリカのホームパーティーに初めて呼ばれたとき、男性から"Can I get you something to drink?"と聞かれて驚いた。それ以来、何度もアメリカのパーティーには参加したが、いつもそんな感じである。日本でも外国文化に日常的に触れている男性には、男だという理由で尊大な態度を取る例はほとんど見ない。
外国で暮らす楽しみはそういうことかな、と思う。