ビジネス系の人気YouTuberのイケハヤが「公務員はオワコン」とする動画をいくつか出している。オワコンとは終わったコンテンツの略で、時代遅れになった事象を意味する。
労働基準監督署を統括し、最もまともな労働環境であるはずの厚生労働省でも過酷な超過残業が常態化するなど、中央官庁はブラック産業だと彼は言う。それでも世間知らずの親や教師は「公務員になれば安泰」と子供に刷り込み、うつ病患者や自殺者を生み出す。
元地方公務員のYouTuber失敗小僧は、勤務先の県庁には毎年1人は飛び降りる「自殺スポット」があったと振り返る。公務員の仕事は精神的にかなりきつい。首相や知事、市長などトップの命令であれば、どんな不合理な仕事でも遂行しなければならない。良心の呵責に悩みながら、公僕として表向きには自分の考えとは真逆の主張をする。嘘つきの名人でなければ公務員は務まらない。だから財務省で自殺者が出たのも、全く驚かない。
こうした実態が明らかになり、コロナ前は就職が売り手市場だったこともあり、国家公務員の志望者は20年前と比べて半減している。
では官庁以外の職場はホワイトなのかと言えば、そうではない。昨年12月に発表されたブラック企業大賞には、三菱電機、電通、セブンイレブン、長崎市、楽天といった勤務先が並ぶ。最近では、三菱自動車で軽自動車の企画を担当し、月130時間を超える残業をして自殺した社員の労災が認められた。
結局のところ、ブラックな環境を生き抜いた強靭な心身の持ち主が出世し、そうしてのし上がった上層部が自分のやり方を肯定しているため、事態は改善しないのかもしれない。そのため世間の批判を浴びて一時的に対策を実施しても、いつの間にか元に戻ってしまう。かなりの圧力が外から加わり、それが成功しない限り、ブラックはブラックのままということになるのだろう。(敬称略)