2018年3月20日火曜日

外国人力士の日本語習得法

  証券会社で新たに私の担当になった営業マンが訪ねてきた。ユニークなキャリアの持ち主で、以前は相撲取りだったという。しかも外国出身で流暢な日本語を話す。複雑な金融商品の説明もわかりやすい。

 「外国人のお相撲さんって、なんで日本語がうまいんですか?」と尋ねると、意外なことに有名力士でも日本語学校に通った人はいないという。

  中卒ですぐに弟子入りし、同じグループには外国人は1人しか入れない規則がある。周囲と話す言語は日本語のみで、故郷には年1度しか帰れない。耳で日本語を聞いて真似することをひたすら続ける。読み書きは一切しない。この営業マンは怪我で相撲人生を断念し、大検を経て東京の有名私大を卒業、証券会社に就職した。大検や大学入試のため読み書きを初めて勉強したが、聞く・話す力との差が激しかった、と。

  私の英語学習は全く逆で、ネイティブの中に放り出されたのは社会人になり米国の大学院に留学した時だ。文法が大好きなので、つい「アメリカ人って思った以上に関係代名詞の継続用法を使うんだな」とか、いちいち分析していた。

  ネイティブの中に飛び込んで耳だけで覚える方法は大人にはあまり現実的でないが、確かにネイティブに囲まれて過ごしたり、ネットやテレビで英語環境を日常的に作るのは有益だと思う。感覚的には筋トレとか運動と似ている。

  私が思うに書く能力は別物で、訓練である程度は身につくが、最終的には才能によるところが大きい。村上春樹も「どうやったらうまく書けるようになりますか?」と聞かれて、才能がないとダメだと言っている。