2017年4月8日土曜日

家政婦を雇うコツ

 私は自宅、オフィスとも整然としていないと落ち着かない。だが疲れていると掃除をするのも面倒臭い。外注できることは全て外注し、掃除も家政婦を雇っている。「掃除しなくちゃ」と思わなくていいのは、本当にラクだ。 

 だが家政婦にもいろいろなタイプの方がいて、依頼するのもコツがあることがわかってきた。

 某派遣会社から最初に来た人は遅刻はするし、ほとんど素人で何をするのも時間がかかりイライラさせられた。厳しいレビューを出したためか、二度目は別の人が時間通りにやってきた。だが、私が気づきもしなかったフローリングの経年劣化のわずかな汚れに妙にこだわり、ある箇所だけゴシゴシやったおかげでかえって全体的に汚く見えてしまった。その一方、棚やスピーカー、照明の傘の埃はそのまま。こうした埃を取るのは常識だと思っていたのだが。

 ここ3~4回お願いしている別の派遣会社のAさんは、掃除の腕は本当に素晴らしい。何をどう使ったら短時間で汚れが取れるか研究しつくし、2時間もすると自宅が高級ホテルの一室のようにピカピカになっている。

 だが「ネコさんみたいにワタシもキャリアウーマンになりたかったんですう」みたいなことを毎回言い、個人的な話をしたがる。こちらはお金を払って掃除をしてもらっているだけで、人生相談に乗るために家政婦を雇ったわけではない。

 結局、エスパーがあるわけではないので、他人には言わないと自分の意思は伝わらない。次回依頼の際にメッセージを書くようになっているが、その欄に「いつも通りでお願いします。なおくたびれた中年としては『キャリアウーマン』とか言われると疲れてしまうので、恐れ入りますがそうした話はなしでお願いします。Aさんにお任せしていればゆっくり寝ていられるので助かります。どうぞよろしくお願いします」とした。

 それと同時に、Aさんほど掃除は完璧でなくても、個人的な話に踏み込もうとせず、変なカルマがない人がいればそうした方にお願いしたいとも思い始めた。 この派遣会社は家政婦のプロフィールを検索できるようになっていて、最近登録したBさんという方にも一度依頼することにした。

 これまでの経験から、自分が常識だと思っていることでも、他人が常識だと思っているわけではないとわかったので、事前に当方の希望を具体的に書いた。

 「掃除、洗濯物干しをお願いします。全体的なフローリングの水がけ、カーペットの掃除機かけ、スピーカーや棚、照明の傘などの埃取り、キッチン、トイレ、洗面所、風呂場です。こびりついている汚れ取りに時間がかかる場合は、一箇所にこだわることで全体の掃除が終わらない、といったことがないようにしてください。これまでお願いした家政婦さんの中には、フローリングの経年の汚れ取りにこだわり、限られた場所だけごしごしやったおかげでかえって全体が汚く見えてしまったり、風呂場の掃除に時間を取りすぎて部屋の棚の埃がそのままだった方がいたので、細かくて恐縮ですが、念のためお伝えしておきます。なお、短い世間話程度ならよいですが、個人の仕事や生活に関するおしゃべり、人生相談のような話はなしでお願いします。長々と恐れ入りますが、常識ある善良な市民でモンスター消費者ではないと自己認識しておりますので、どうぞよろしくお願いします」

 Bさんの返事は、 「初めにご希望を伺えてありがたいです。お掃除はお客様が気持ちよくしていただくためなので、お客様それぞれのご希望がございます。真面目にお仕事させていただきます」とのこと。この方は料理も得意だそうなので、もしよければ次回は1時間延長して食事を作ってもらってもいいなと思った。

 結論として、仕事とはいかに顧客のニーズを満たすか、そして仕事のスキルと同じかそれ以上に相性やカルマが重要だと思う。

 あと意外と面倒臭いのが友達の反応だ。私と同じような仕事をしている多くの男性には専業主婦の奥さんがいて、それは何とも思わないのに、話の流れで家政婦を雇っていると友達に話したら、「許せない」みたいな態度で不快だった。

 日本には特に、女性はどんなにきつい仕事をしていようが家事をして当然、といった変なカルチャーがある。有名な女優さんのゴシップにも出てくる話だが、男性芸能人がレポーターに「家事と両立できるんですか」みたいな質問が飛ぶことはない。

 それにしても、家政婦なら当方の要望をこと細かに伝えて、合わないと思ったら替えることも簡単だが、奥さんとなると大変だろうなと想像する。メイドとして雇っているわけではなく、相手にも自分のやり方、こだわりがあるので、いちいちそれを夫に細かく指摘、指示されたら気分がよくないだろう。そうした折り合いをつけるのは、面倒臭そうだな。。だから離婚が増えているのだろうか。

 最初から細かく希望を出し、お互いに納得して家政婦に来てもらったほうが、離婚で調停や裁判になるよりはるかにラクに決まっている。