2017年3月28日火曜日

一度やってみたい仕事

 「宮仕え」という言葉には息苦しさ、ある種の限界、あきらめといったイメージがある。成功した起業家は別世界だろうが、ビジネスをテーマにしたドキュメンタリーを見ると、組織が大きくなればもっと大きなスケールの派閥争いに巻き込まれるんだなと想像する。

 私は7年自営業をしたことがあり、人間関係のストレスはゼロに近かった。お客さんは自分の仕事を気に入り、自分が好きだからまた発注してくれるわけで、そもそも自分が嫌いであれば発注してこない。結果として、自分が好きな人とだけ働くことになる。

 ただ、お客さんにも予算があり、組織の都合があるので、いつでもコンスタントに仕事が来るわけではない。ある程度の安定したプロジェクトを2~3本抱え、単発の仕事も受けられるようにしておく。経済的な安定性でいえば、安定した組織で働くのがベストだが、それこそ宮仕えそのものである。

 早期リタイアした方の話を聞くと、異口同音に「宮仕えにほとほと嫌気が差した」と言う。よほどの組織適合者か高い地位で自分の意思が通る場合を除いては、大なれ小なれ誰しも抱える不満かもしれない。つまるところ、リタイアできるだけの資金の見通しがあるか、そこに尽きるのだろう。

 私も今後をいろいろと考え、妄想し、グダグダとエクセルシートを使って様々なシナリオの計算をする。その一方、素晴らしい方に仕事を通じて出会うと、もう少し頑張ってみようかという気にもなる。

 そうした妄想で度々持ち上がるのが、コンビニの店員として週3回くらい働き、人間観察をするというものだ。今夜も冷蔵庫に何もなかったので、近くのセブンイレブンに行ってつまみを調達したところ、弁当のほか日持ちのする惣菜、冷凍食品、缶詰なども充実している。狭いスペースを最大限に活用し、これほど高度なよろず屋が全世界を見回してもほかにあるだろうか。

 赤坂1丁目のファミリーマートには、 お笑い芸人かと思うほど陽気で明るい店員さんがいた。どうやら店長のようで、最近は店頭に出てこないが、舞台裏で采配をふるっているのかもしれない。中国人などの外国人店員も多いが、彼らは合法的に働いているのだろうか。

 誰が何を何時ごろに買っていくのか、それをどうレジに入力して市場調査しているのだろうか。

 コンビニの店員として働いてみれば、そうした疑問が明らかになるかもしれない。一度やってみたい仕事である。