2024年10月29日火曜日

書評 馬渕睦夫著「グローバリストの洗脳はなぜ失敗したのか」

 在ウクライナ日本大使を務めた馬渕睦夫氏の最新刊。キナ臭い世界情勢と日本の衰退、政治劣化の原因や経緯を明らかにしている。なるほどと参考になった点をまとめてみたい。(→以下は私の追加。)

国際機関と日本政府

・WHOや国連など国際機関の目的は一部のグローバリストによる世界秩序の樹立であり、世界がよくなる秩序というよりグローバリストにとって都合がよい秩序となっている。

・日本政府は国民の利益を考えず、世界のグローバリスト側に与している情けない状況だ。日本政府自体が国民の敵であると断定せざるを得ない。政権与党こそが日本国民の安全と声明を売り渡す国賊である。

・連合国(=国連)は第二次大戦中の敵国である日本やドイツに対して、どのような行動を取っても国連憲章には違反しない。敗戦国である日本は連合国にとって都合がよければ利用され、悪ければ叩かれる。

・国連を含めた国際社会はパレスチナ難民を支援していると言いつつ、じつはパレスチナ人の自立を妨げていた。

・多文化共生社会と言えば聞こえはよいが、実際には成り立たない。馬渕大使が駐在した国々では移民と地元民が別々に暮らす社会が存在していただけ。米国でも完全にエスニックグループ同士で分かれて生活している。

・日本の「ヘイトスピーチ解消法」とは外国人の言い分だけが通り、日本人だけが悪者になる法律。

・国際連盟を提唱したアメリカ自身、議会の承認を得られずに国際連盟に加盟できなかったが、米政府は連盟の外から口出しを続けた。国際連盟があることによって、関係のない国が関与してくるだけだった。

・国際機関ができると逆に紛争は長引く。第二次大戦も国際連盟の精神ゆえに起きたとすら言える。【→先日、国際刑事裁判所(ICC)の講演会で聞いた話では、ICCはウクライナ問題では完全に欧州寄りで米国のFBIなどから大量に職員が派遣され、ウクライナによるロシア側への暴力については全く調査をせず、ロシア側の言い分を一切聞かない。ICCのホスト国オランダの右派政権もICC支援には消極的。】

DS

・プーチン大統領いわく、グローバリストにとっては全ての国がアメリカのために主権を放棄することが決定的に重要なのだ。いくつかの国の支配層は自発的にそうなることに同意し、臣下となる。(→まさに日本の岸田前首相。)

・北朝鮮による日本人拉致など、常識的に考えて日本の警察が阻止できないはずがない。それが可能だったのは誰かが警察に「動くな」と命令したから。当時の北朝鮮には日本からの帰国者や日本人妻が多数いた。日本語教師の要員として、わざわざ拉致という危険を冒す必要もなかった。拉致問題とは北朝鮮と日本の和解を妨げるため、DSが仕組んだ工作だった。

・第二次大戦後、ソ連は弱体化して米国の援助を必要とするほどだった。米国は陰ながら援助して技術を盗ませ(→ベルリンのスパイ博物館によるとソ連が核兵器を持てたのは、KGBスパイが米ロスアラモス研究所に侵入して盗んだから、とある)、超大国という虚構をつくり東西冷戦をでっちあげた。それを口実に米国は軍事拡張ができた。

・ケネディ大統領は米ソ関係を改善しようとしたが、米国内の反共勢力と「ある特定の民族」に反対された。

・いまの戦いの背景にあるのはナショナルユダヤ対グローバルユダヤの対立。イスラエルとロシアの関係は悪くない。プーチンはナショナルユダヤを支持、パレスチナとの停戦を仲介すると明言している。

・バイデン政権は「自身が認識する性のトイレ使用を許可する指針」を全米の学校に通達した。米軍では性転換に必要な医療費に軍の保険を使えるようにした。

トランプ大統領の役割

・トランプ米大統領の貢献によって、2020年のアブラハム合意でイスラエルとアラブ首長国連邦・バーレーンとの間で国交が樹立。

・FRBを潰して連邦所得税をなくす。

メディアと個人

・既存メディアは100年前からグローバリズム勢力の広報・工作・プロパガンダ機関である。

・広報の第一人者で第一次大戦当時にウィルソン米大統領の顧問を務めたエドワード・バーネイズは述べた。「相手にそれと意識されずに知性的にコントロールすることは、民主主義社会で非常に重要である。この仕組みを活用して世論を形成する人々が、目に見えない統治機構を形成し、現在の米国の真の支配者として君臨している」。ここで言う真の支配者こそがDSである。ピューリッツアー賞もプロパガンダの手段。

・メディアは19世紀までは政府と共にあり国益と合致していたが、20世紀以降は政府や国益ではなくDSの利益を目的とするようになった。昨今ではインターネットの世界も言論統制でがんじがらめになっている。

・マスコミには特定の情報源があり、現実を自ら追求せず、そこから与えられた図式を優先している。独自の分析もあるかもしれないが、情報源の方針と乖離することはない。

・メディア、政府、有識者に頼らず、ひとりひとりが世界情勢ウオッチャーとして欺瞞を見抜く時代だ。

・いくら世の中の危機について話しても理解してもらえないこともある。それを話すことで今まで親しくしていた方に突然敬遠されることもあるが、縁のない人には構っていられない。

憲法

・ドイツのワイマール憲法を起草したのはユダヤ人のフーゴ・プロイス内相。彼の目的は約6000万人のドイツ人口の1%、約60万人に過ぎないユダヤ人の権利を99%の多数派ドイツ人から保護することであり、ワイマール憲法はドイツの國體を表したものではない。

・日本国憲法をはワイマール憲法の写しであり、起草者はユダヤ系アメリカ人のチャールズ・L・ケーディス。日本国憲法第14条「すべて国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」という条文の真っ先に「人種」が来るのは奇異である。

 日本国民に異なる人種は基本的には存在せず、帰化外国人は極めて少数で例外的にもかかわらず「人種」が列挙の先頭となっている。ワイマール憲法が特定の人種の権利のために作られたということを知らなければ気にせず流してしまうかもしれない。これが憲法学者の隠してきた日本国憲法のおぞましさだ。

・しかしながら、自民党の改憲案は改悪にしかならない。緊急事態条項が入った日には、強制的にワクチンを打たされる。そんな憲法改正を許してはならない。

・そもそも私たち日本人に憲法という文章は要らない。(→イギリスにも憲法はない。)

民主主義

・民主主義の欺瞞の最たるものは「自由」と「平等」の両立を説いていることだ。自由と平等が本来、両立し得ない概念であることは、常識的に考えてみればわかる。自由と平等の原則は1789年から始まったフランス革命による人権宣言(人間および市民の権利の宣言)で掲げられた。つまり民主主義の欺瞞は200年以上の積み重ねがある。

米国の戦争犯罪と欺瞞

・1951年5月、マッカーサーは米上院軍事外交委員会で「日本が太平洋戦争に突入したのは、大部分は安全保障上の必要によるものだった」と証言している。

・広島・長崎への原爆投下についてプーチン露大統領は「当時の日本には反撃する能力もなく、軍事的には全く必要なかった」と述べている。「米国は英国とともにドレスデン、ハンブルク、ケルン、その他多くのドイツの都市を軍事的な必要性なしに廃墟にした」とも。(→東京など日本のほとんどの大都市も、米国は同じことを行った。)目的はただひとつ、全世界を威嚇することだった。

「アメリカはドイツ、日本、韓国、その他の国々を占領して対等な同盟国だと皮肉っている。これらの国々の首脳のオフィスと自宅には盗聴器を設置している。彼らは家臣に対する命令や無礼で侮辱的な怒鳴り声を『欧州大西洋連帯』と呼び、ウクライナなどでの生物兵器や生きた人間に対する実験を崇高な医学研究と呼ぶ」(→日本でのレプリコン注射も同様。)

「自らの破壊的な政策、戦争、略奪によって、米国は今日の巨大な移民の急増を引き起こした。。アメリカのエリートは競争相手を弱体化させ、国家を破壊するために、こうした人々の悲劇を利用している」

「米国は欧州にロシアのエネルギーを拒絶させ、自らの産業を衰退させ、欧州市場を乗っ取るため、ノルドストリームまで爆破させた」

「真の戦略的視点を持ち、西側の覇権に挑戦できる国家、あるいはそれを目指す国家は全て自動的に敵に分類される。。何か気に入らないことがあると、すぐに同盟国に対して制裁を科す。。(米国は)人類の大多数が自由と正義、自分たちの未来を決める当然の権利に唾を吐きかけた」

「一極集中の覇権主義に反対する解放運動、反植民地主義は、すでに様々な国や社会で展開されている。こうした力こそが、将来の地政学的な現実を決めていく」

・国際法上、日本は原爆投下や市街地への空爆に復讐する当然の権利を持つ。米国は市民への無差別攻撃を正当化すべくWGIP(War Guilt Information Program)で日本人に自虐的な歴史観を持たせた。

・被支配者を分断させ統治を容易にする分割統治は、古代ローマ帝国が生み出したもの。

今後の世界情勢

・最悪、2025年のサミットは行われない可能性すらある。G7は少数派であり、いま世界の主導権を握っているのは、かつて二流国とみなされてきた国々。その先頭に立つのがBRICSのロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相だ。

・中東危機が落ち着いたら、東アジアに火種が回ってくる。岸田政権はバイデン大統領から「日中戦争をやれ」と言われているのに等しかった。(→今回衆院選での元自衛官・佐藤和夫氏の演説によれば、現在自衛隊の病院船を建設中で石垣島は厳戒態勢。)