2018年10月8日月曜日

レビュー 阪神、今年最下位決定の試合

 スポーツは分かりやすい勝負の世界。「阪神最下位決定」の見出しが躍る。

 もちろん残念ではあるが、昨日の試合はいろんな意味があった。

 まず驚いたことに、あの満員御礼の会場で突然知り合いに声をかけられた。地方出身だがヤクルトのファンだという。どうしてまた、と思ったのだが、もしかしたらあの「東京音頭」が受けているのだろうか。閉鎖的で封建的な田舎社会から抜け出し、上京して頑張っている自分は今や東京ヤクルトスワローズを応援する都会人なのだ、と。考えすぎでバカにした発言かもしれないが、当たってなくもない気もする。

 今回は連休最終日の最後のヤクルト・阪神戦。同じ内野席なのに前回より300円チケット代が高い。それで試合の20日前、最前列から3列目のすごくいい席が残っていたから買ったわけなのだが、明らかに前回の試合よりも客のマナーがよい。今回も3塁側にもかかわらずヤクルトファンがいたのだが、変な罵声を発してはいない。よくこんなに飲めるなと思うほどビールを飲み続ける男性もいたが、表情一つ変わらず。300円多く出すことができ、実際に出す客というのは、それだけ心にも余裕があるのだろうか。

 目の前にはすごい望遠レンズをつけたプロ仕様のカメラを操作する、若い女性の2人組が座っていた。これが「カメラ女子」なのか。彼女たちは試合の勝ち負けや趨勢ではなく、一瞬の選手の動きに全身全霊を集中させている。

 プロ野球ではどの球団でも選手の実力に大差はない。投手は誰でも140キロを超える速球を投げられるし、内野手は飛んできた球をアウトにできる。

 そうした実力があり試合を続けていれば、いつかはチャンスはやってくる。昨日は8回2死から4点を返して1点差に詰め寄った。チャンスがいつやってくるかは、誰にもわからない。チャンスが来たらやる。それしかない。

 ヒットを打ったら、どこまで行けるかを確実に読み、あまり欲張り過ぎないのも重要だ。2ベースにできるかも知れないと思っても、あえてファーストで止まることで少なくとも攻撃を続けていける。昨日はそこを見誤り、惜しい試合だった。

 プロ野球もそうだし、クラシック音楽もそうだが、プロになれば実力はどこも紙一重である。だが紙一枚のわずかな差が物を言い、勝負を分ける。