2018年10月6日土曜日

デジタル時代の達成感

 昭和のアナログ時代ではLPのレコード1枚、本1冊、友人との長電話に重みがあった。現在では、ネットで映画は何万本も見放題、SNSで常に人とつながり、リアルでは知り合えない地域や階層の人々の意見もオンライン掲示板で読める。

 「無限に情報を受け取るようになり、達成感が失われている」と脳科学者の茂木健一郎氏は言う

 そうかも知れない。例えば、私が英語を初めて勉強した頃はインターネットがなく、分厚い辞書を引いていた。初級の辞書に出ている単語を全部覚えたとき、すごい達成感があった。だが今では辞書すら必要ではなく、英単語をググればすぐに意味や例文が出てくる。

 若者の恋愛離れ、生涯独身率の上昇、おひとりさまの増加にもデジタル環境が影響している。YouTubeで女性向けに男性心理を解説している人が言う。「ネットでいくらでも動画が見放題、Kindleで本が読み放題。だから別に恋愛をしなくてもいい、という男性は本当に多いんです。今の時代、ネットは最大のライバルの一つ。女性にはこうした面白さを上回る魅力が必要になってくるんです」

 これはかなり厳しい。

 女性の立場で言えば、男女関係の本を読むと「男性は自分が役立っているという感覚が重要。だから電球の球を替えるとか、何でもいいので彼にお願いしてみて」といったことが書いてある。

 だが実際には、餅屋は餅屋。わからないことがあれば、ちょっとググるだけで、相当な情報や専門知識も手に入る。もっと知りたければ、各分野の専門家と会って話を聞くこともできる。なので男を立てるとか、かまととぶるのは非効率と思えてしまう。

 リアルな人間関係では価値観の違い、その日の気分で嫌な思いをすることもあり、同じ人と頻繁に会うと話題も尽きてくる。

 その一方で、原始人の頃から人間のDNAは変化していない。専門家いわく、朝の光とともに目覚め、夜は寝るという自然のサイクルに従わないと体内時計が狂う。男性には狩猟本能があり、女が追いかけると萎える。現代人はそういうことを理解していない、と。

 ひとつ言えることは、英語の勉強に関してはカセットテープの時代と比べて、今のほうが格段によい環境にある。達成感は別として、実力ははるかにつけやすくなっている。