トランプ大統領が就任した1月20日、中国がAIアプリDeepSeekを公開。低コストの開発費でOpen AIを上回る機能があり、アップルストアのダウンロードランキング1位の人気だという。
かつて日本企業があまりにも多機能の電気製品を製造したが、そこまで凝っていなくても、もっとシンプルで低価格の製品が欲しいという消費者ニーズに中国企業が応え、やがて中国に追い抜かれたという歴史を思い出させる。
楽天証券経済研究所・チーフアナリストの今中能夫氏の報告と分析が役に立つ。以下に要旨をまとめてみた。
DeepSeekを使えばNVIDIAの高価格半導体を買う必要はない。このためNVIDIA、NVIDIA製品の検査装置を製造するアドバンテストには悪影響で株価は暴落。ディスコはそこまでの打撃はないが、上値は重い。
日欧米企業が自社システムにDeepSeekを組み入れるのは中国への情報漏洩の懸念から難しい。その一方でもちろん中国企業はDeepSeekを使うため、低コストでAI開発が可能。結果として競争力は中国>日欧米となり、日欧米でもAI開発の低コスト化への圧力がかかり、関連企業は伸びる。ただこれまでのように高性能・高価格をガンガンに進めるビジネスモデルではなくなり、株式市場にとって朗報とは言えない。
その一方、セールスフォース、テスラなどAI半導体を使う企業にとってはDeepSeek登場は朗報。[注:実際、マスク氏はソフトバンク主導のAI巨額投資に疑問を呈していた。]マイクロソフトと比べてアマゾンはAI自社開発に遅れていたため、今後はかえって低コストでAI導入をできる。Metaはクラウドサービスの売上比率が低く同様の効果を期待できる。
結論、NVIDIAや半導体装置メーカーの銘柄はいったん手じまい、3週間後のNVIDIA決算発表でCEOが何を言うかに注目したい。