この夏は酷暑とコロナ感染拡大に見舞われ、複数の知人も感染して深刻な症状を訴えていたため怖くなり、2カ月近く家にこもっていた。
ようやく状況も落ち着きを見せはじめたが、この2年半は自主的な軟禁状態を何度も繰り返していた。
引きこもり生活のデメリットは当然あるものの、メリットもあった。それらをまとめてみたい。
もともと私は子供の頃から、外でボール遊びをするよりも、家で読書をしているほうが好きだった。大勢で集まるのも楽しいは楽しいが、一人でぼんやりする時間を好む。自粛生活のおかげで、こうした活動を堂々とできた。
海外旅行のハードルが非常に高くなり、国内旅行しかできなくなったため、日本の知らなかった部分を理解することができた。最近では、わざわざ海外に行くよりも、国内をもっと探訪すべきだったとも思うほどだ。
米国では自分の州や近所から出たことのない、あるいは出たいと思わない人にも会ったが、彼らの気持ちがわかる気がした。
私は東京外大卒、フルブライト留学生、ロンドン暮らし、米政府勤務など、海外に目を向けた人生を送ってきた。それを否定はしないものの、あまりにも外国かぶれだったような気もしてきた。もっと日本の素晴らしい点を学ぶべきではなかったか、と。
ただこう言えるのも、日本が儒教国家で若者よりも年寄りが優遇される社会であり、自分が中年になったから、という面もある。
また女性の選択肢もこの10年ほどで劇的に多くなった。私が学生の頃は、大手企業の事務職に腰掛け就職→寿退社→専業主婦という生き方が主流だった。日本における女性の地位は近年格段に向上し、生きやすくなった。
2カ月近く家から一歩も出ないことが可能だった物理的な理由としては、高台の広い家に住んでいることもある。草取りが重労働であるほど大きな庭もあるため、家から出ないと言っても、狭いマンションにこもっているのとは訳が違う。