1980年代のバブル期を象徴するアイテムとして、紺色のBMW3シリーズを六本木通りなど都内各所でよく見かけた。中年になってようやく手に入れた時にはうれしくてたまらず、運転のしごこちは最高だった。
米ドラマ「ビバリーヒルズ高校白書」では、ブロンドの美少女ケリーが赤いBMWカブリオレで通学。1991年にシーズン1が始まり、もう30年も経つとは驚きだ。
イギリス留学前に愛車は手放してしまったが、その後はネットショッピングが急速に発展。日常の買い物はオンラインで済むようになり、実際の店舗よりもアマゾンや楽天のほうがはるかに選択肢が広い。旅行も高速料金のかかるドライブよりも、新幹線で行ったほうがラクで快適、安上がりでもある。
地球温暖化への関心が世界的に高まり、ガソリン車に代わって電気自動車や自転車へと時代は移り変わっている。過去20年で日本の新車販売台数は約20ポイント減少し、将来的には自動運転機能のついた空飛ぶタクシーが主流になると予測されている。
こうした時代の流れや未来予測を知ってはいたが、それでも何が欲しいかと考えていくと、BMWカブリオレがぱっと思いつく。だが検索してみると、1シリーズのカブリオレは2014年に販売終了。
さらに驚いたことに、昨年末にBMW東京の新宿店と高輪店が事実上閉店(他店舗に統合)、杉並店は2013年に別会社に売却されていた。現在では東京ベイ、青山、勝どきの3店舗しかない。
2000年はコロナ禍で外出自粛が続いて高級外車の販売台数も軒並み減少し、BMWは前年比23.7ポイント減と大きな落ち込みだった。その一方で、ポルシェは前年比+1.2ポイントと微増である。
ざっくり言えば、零細企業経営者や先行き不透明な大企業の社員といったプチブル層が打撃を受ける中、コロナ禍でかえって収入の増えたIT関連企業や投資家などの「億り人」がより高い買い物をするようになった、ということなのだろうか。
そもそもクルマの役割として移動手段というよりも、道楽という意味合いがますます強くなっているのかもしれない。
