2020年9月27日日曜日

米国中枢の驚くべき保守層

  トランプ大統領が保守派の高裁判事であるエイミー・コーニー・バレット氏を最高裁判事に指名すると発表した。就任には上院の承認が必要となるが、現在の上院は共和党が多数派を占める。このため最高裁判事の定員9人のうち、バレット氏を含む保守派が6人、リベラル派が3人となるだろう。最高裁判事は終身制のため、政権が交代しても米国の最高裁は保守派の支配が続くことになる。

 バレット判事の履歴をみると、永住権保持者への医療・福祉の制限や中絶の規制強化に賛成する一方、銃規制の強化に反対している。

 自由と民主主義を標榜する米国では、意外にも権力中枢に保守的な考えが根づいている。ヒラリー・ローダム・クリントン氏は自伝で、連邦政府が南部アーカンソー州よりもはるかに保守的で驚いたと書いている。

 私も同じような感想を持ったことがある。米国海洋大気庁の所属部署では、幹部が全員へのメールで部員の活躍ぶりをほめたたえる活動をはじめた。この一環として、コロナ感染が拡大するなかフィールドで活動する部下のために、ある地方事務所の女性所長が週末に手作りのマスクを縫って配ったと賞賛された。全米に数カ所ある地方事務所のうち、彼女以外の拠点では通常のマスクが配られたという。ちなみに女性所長は1人だけで、残りの所長は全員が白人男性である。

 いろんな意味で違和感を覚えるメールであった。通常のマスクが入手可能であったにもかかわらず、なぜ女性所長の職場だけが手作りマスクになり、しかも所長が自らサービス残業をしてまで縫ったのだろうか。おそらく彼女はそれが自分の上司へのアピールになると考え、結果として全員へのメールで賞賛されたのだから成功したのだろう。

 その上司は60代の白人男性で、海洋大気庁50周年の職員インタビューで紹介されている。家庭環境などプライベートな内容が詳細に語られ、自分の妹とうまく行かなくなった経緯として、働いていた母親の代わりに妹が作った食事がひどかったと話している。この発言から、食事を作るのは女の役目だと考えていることがわかる。文句があるなら、自分で作ればよいのではないかと思うが。。おそらく女性所長はこうした上司のメンタリティーを理解していたのかもしれない。

 手作りマスクのエピソードは、秋篠宮妃が同志の職員に呼びかけて医療従事者向けの防護服を縫った話とも似ている。米国の連邦政府は日本の皇室を思わせるほど、保守的な発想をするのだ。