2019年8月3日土曜日

酷暑の避暑地・軽井沢物語

 GWに軽井沢を訪れたものの、ようやく桜が開花したばかりで肝心の新緑を身損ねたという思いがずっと残っていた。

 猛暑の東京から逃げ出そうとヤフーで各地の天気をチェックしていたところ、軽井沢の最高気温が28度とあった。30度まで行かないなら、きっと涼しいと感じるに違いない。

 そこでほぼ満席の新幹線で生まれて初めて(!)グリーン車を取り、避暑の旅に出た。往復とも窓際を確保し、車窓からの眺めも楽しむという計画であった。

 ところが高崎までは当然ながらビルやマンション、繁華街の光景がずっと続く。肝心の高崎を過ぎるとずーっとトンネルの中で、トンネルを抜けると間もなく軽井沢に着いてしまった。
 
 午前8:43着、すでに太陽がギラギラと照りつけている。日傘を開いて、まずは徒歩10分の日帰り温泉へ。ところがドアの鍵が閉まっている。どうやら階段を上がって2階にあるホテルのロビーで受付をするようだ。

 自動ドアが開いて中に入ると、いかにも古いホテル独特の加齢臭が漂う。かなり新しい施設でないと多少はこの臭いが必ずするのは、なぜだろうか。こうした理由もあり、私はホテルや旅館に泊るのが好きではない。やはり日帰りにしてよかったと胸をなでおろした瞬間である。温泉は誰もおらず貸切状態であったが、途中で一人入ってきてすぐに出て行った。

 午前10時に温泉を出て、旧軽井沢の別荘地を散策する。「鳩山通り」の名の通り、鳩山一郎元首相の別荘があるエリアはさすがに豪邸が立ち並ぶ。だが緑に囲まれたお屋敷街の気温と湿度の高さは半端なく、風通しも非常に悪い。地球温暖化がこれほど進む前はきっと涼しかったに違いない。だが今となっては、どうしてこんなに不快指数の高い場所に、お金持ちが好き好んで別荘を持っているのか理解に苦しむ。温暖化と不動産価値の関連を研究している学者はいるのだろうかと、ふと考えた。

 旧軽井沢商店街も、暑い日の京都の土産物店の通りのようである。熱中症で倒れる人が出たとしても不思議ではない。ヨーロッパ風のレストランや建物、教会などがあるものの、それはあくまで西洋「風」であり、どこかリカちゃんハウスを彷彿とさせる。やっぱりヨーロッパに行かなきゃダメだ。欧州も熱波らしいが、イギリスはどうにか難を逃れているらしい。

 ランチは絶対に蕎麦を食べようと決めていた。最も有名な川上庵という店は、炎天下にもかかわらず正午前に既に長蛇の列ができていたので断念。地元の人が勧めるもう一軒の「そば本陣」という駅前の店には、すぐに入れた。

 なぜか「馬刺あります」というビラが貼ってある。「長野で馬刺が取れるんですか? あるいは熊本のものですか?」と聞いたら、「海外産」だという。ここで馬刺を食べても意味がないと思い、冷やしきのこ蕎麦のみを注文した。弾力のある独特の食感の麺で、さすが長野、特大のなめこが入っている。瓶詰めのちっちゃななめことは訳が違う。だが、この店にまた来たいかと聞かれれば、ウーン。。。一度来ればそれでいいかな、という感じであった。

 アウトレットには私の大好きなフィンランドの食器メーカーiittalaが入っている。東京の百貨店よりも品揃えがよく、しかも「難アリ」とか言ってほとんどわからないクオリティーの品を格安で売っている。だが今日はどうもピンと来るものがなかった。

 グッチの店でスカーフを買おうか少し迷ったが、私はそもそもスカーフでグッチの柄を強調したいのかと自問自答した。グッチの時計は好きだが、ほかはあまり好きではないのかもしれない。だいたい、アウトレットに置いてあるものは極端な柄、極端に小さなサイズか大きなサイズ、あとは普通すぎて面白くないものが基本かもしれない。

 グリーン車は往復とも隣が空いていた。このハイシーズンでほぼ満席にもかかわらず、ラッキーだったかもしれない。当然やや高めだったが、2席分を確保したと思えばコスパは悪くない。

 東京に戻ると、夜でもまだムッとしている。朝夕はさすがに軽井沢のほうがましではあるが、それでも「涼しい」というわけではなく、最高気温28度なのがウソなのは間違いない。結局のところ、本当に避暑をしたければ、家にこもってエアコンをガンガンにかけるのが一番だろう。