2017年8月4日金曜日

インテリアデザインにみる美学と階級闘争

 仕事を離れて没頭できる趣味として、インテリアデザインはかなりはまる。

 壁紙、カーテン、システムキッチン、バスタブ、タイル、そして厳密にはエクステリアだが外構、庭。。。おびただしい数のサンプルを見て気が遠くなり、自分で選んだものが本当に良かったのか一抹の不安がつきまとう。

 インテリアコーディネーターを雇えばそうした不安が解消するかと言えば、そうでもない。

 ポストにチラシが入っていた業者を訪ねたことがあるが、ショールームは自分の趣味ではなかった。ネット検索して「施工例」を見てもピンとこない。往々にしてゴテゴテしすぎ、IKEAのカタログのように柄がうるさすぎる。顧客の趣味なのか、コーディネーターの提案なのかわからないが、日本でインテリアコーディネーターをしている人の趣味は自分には合わないことが多い。そして全体の施工料金の15%がコーディネーターにかかる。これは違うな。。。と思うものに払うのはバカバカしい。

 「ミニマリスト」や無印良品の世界も悪くはないが、そぎ落とし過ぎというか、かえって不便な感じもする。ある種のアメリカ人が禅を"Zen"ととらえる感覚とも共通するものがあり、どこか取って付けたような気がしなくもない。

 「ホテルライク」という言葉も最近流行っているようだ。リネンや家具を検索すると、そうした商品が出てくる。白、黒、グレー、もしくは赤といった色調が多い。

 ここでいう「ホテル」とはグランドハイアットとかそういったイメージで、趣旨はわかるし、そうしたホテルに泊まるのはやぶさかではないが、では自分の家をこうしたいかと聞かれれば、それも違う。

 イギリスのWilliam Morris、Victoria & Albert、Liberty、Laura Ashley、あるいはイタリアのEtroのような唐草模様には、「ああ、これだ。。。」とうなづく。探し物がようやく見つかったり、気の置けない友達と久しぶりに会えた時のような懐かしい感覚というか。

 だが、これは壁紙の色や状態、家具、窓からの風景などを相当考慮する必要がある。例えば、この部屋はどうだろうか。やや柄が多すぎやしないか。窓辺に置かれたグリーンの置物も唐突な感じだ。

  ミニマリストはある意味で簡単かもしれない。物を極限まで減らして、あとは無印良品で揃えれば事足りる。

 カーテンはインテリアの中でもとりわけ難しい分野だ。この掲示板のスレッドを見るとよくわかる。個人の趣味、価値観、経済力、センスが如実に表れ、カーテン選びによって日本におけるブルジョア対庶民の「階級闘争」まであからさまになる非常に興味深いスレッドだ。

 私自身、スマホで安易にアマゾンで少ない選択肢から買って失敗し、カーテン選びの底なしの奥深さがわかってきた。

 外の風景や光の具合、壁紙や全体の雰囲気も微妙にからみ、いくつあるかもわからない連立方程式を解くようなものだ。最低でも実際にカーテン売り場に足を運び、サンプルを近くから遠くから何度も眺める必要がある。それでも実際に部屋に掛けてみれば、合っているかどうかは賭けとしか言えない。

 値段が高いから、ブランド品だからいいというわけでもない。実際の店舗よりネットのほうが当然数は多く載せられる。

 長さ5センチ単位で100種類ものサイズの既製カーテンを扱うネット店もあった。ドイツ製のこのカーテンであれば、年季の入った壁紙の部屋でもかえってヴィンテージ感(?)が出るかもしれない。

 
 だが、あいにく品切れだという。私のように考える人は案外多いのだろうか。

 トルコ製のこのレースカーテンはどうだろう。

 

 このネット業者は生地のサンプルも3枚まで無料で送ってくれるが、品切れや品薄のものはこの限りではないようだ。このトルコ製カーテンも品薄でサンプルはないらしい。

 この暑い中、あまり出歩きたくないのが本音だが、結論としてカーテン専門店やショールームに足を運ぶしかない。まあ、それで1キロ痩せれば目標達成なのでよしとしよう。。。