2020年11月5日木曜日

ワクワク感を奪う歩道橋シティ

  東京西郊で育った私にとって、立川は最も身近な中核都市である。子供の頃から家族や友達とのお出かけ、買い物、映画などのレジャーで過ごした懐かしい場所だ。

 先日久しぶりに行ってみると、すっかり様変わりしていた。JR立川駅の改札から北口、南口の両方へ広がる大きな歩道橋があり、その下にバスターミナルがある。信号を渡らずにデパート、銀行、カラオケ店などに直接行くことができる。

 この「歩道橋シティ」とでも呼べる開発は大規模なものでは品川、立川と似た大きさでは大宮、もう少し小さめの三鷹と、いずれもJR沿線に見られ、西新宿にも同様の計画がある。

 歩道橋でどこでも行けるのでもちろん便利なのだが、歩いていて楽しいかと言えばそうではない。むしろ無機質なものを感じ、こうした駅の周辺には住みたくないとすら思う。

 その最たるものが歩道橋の域を超えて高度に複雑化した渋谷で、銀座線、半蔵門線、東横線、井の頭線、山手線のそれぞれの渋谷駅から、どこをどう行けばよいのかを理解することすら難しい。このため渋谷乗り換えを避けるようになり、それは渋谷駅周辺の開発者にとってもよくない結果だろう。 

 歩道橋の種類は違うものの、その無機質さを最もよく表しているのは飯田橋だ。おそらく飯田橋の歩道橋を渡りながら、それを楽しいと感じる人はまずいないだろう。

 人間の直感として地上を歩くのが自然で、便利さの追求が快適さに直結するというわけではない。