馬渕睦夫元ウクライナ大使いわく「BBC報道の大半は事実だが、100分の1くらい大嘘をしのばせている。だから多くの人は騙されてしまうんですね」
日本のメディアはどうだろう。最近は情報源の政府閣僚があからさまな大嘘つきで重要な問題を無視、マスコミは垂れ流すだけで「マスゴミ」と揶揄されている。
日本経済新聞、英科学誌ネイチャーなどでの私自身の記者経験で言えば、ものすごく真面目に取材をして情報を集め、最低でも三度は事実をチェックし、一度たりとも嘘をついたことはない。重要な点を書かないよう圧力を受けたこともない。
特に固有名詞や数字の間違いは致命的だったので、本当に合っているのか何度も確認した。
最近ではネットで誰でも発言できるが、事実や数字を間違えても平気な発信者もいる。あるYouTuberに登場人物の年齢が違うことを指摘したら反省や感謝もなく、新たに出した数字も間違えていて簡単な計算もできないようだ。SNSはマスコミ以上に玉石混交なので発信者の信憑性には注意したい。
私の友人Aは大手マスコミの記者でかなり以前、膨大な資料を丹念に調べてスクープを出し、名誉ある賞を受賞した。日米政府に都合のいい内容ではなく、ウオッチドッグとしてのジャーナリズムの役割を果たしていると感服した。
最近ではめざましい出世をとげ、テレビの報道番組にも出ている。ウクライナ戦争に関して出演した番組を見たところ、ウソを言っているわけではないが、肝心な点を語っていない。西側諸国の会議に招待され、出席した閣僚らのコメントを紹介しているが、ロシア側への取材は全くしていない。結果として完全に米国寄りのプロパガンダとなっている。
あの気骨あるAさんがどうしたのか。。もしかしたら、かつての報道姿勢を危険視した勢力によってあちら側に取り込まれてしまったのか。
私も若い頃は論説委員とか部長、局長、テレビ番組の解説委員など表舞台で活躍するジャーナリストに憧れた。だが真実を語れるのはこうした役職者や有名人ではなく、むしろ葬儀屋、救命士、介護施設の職員、治験参加者、市民運動家といった現場を知る人々、大学を引退した名誉教授など組織にしばられない学者らのX投稿である。
それでも最近はXでもコミュニティノートと言って体制側にとって不都合な内容に関して根拠のない反論が出てくるようになった。YouTubeは検閲があからさまで、私のチャンネルでも都知事候補者が演説で事実を語っただけの動画が削除された。
さらに驚いたことに、元外務省情報局長の孫崎享氏が書いた「戦後史の正体」は紀伊国屋では電子版しか入手できない。アマゾンで608個のレビュー、4.4の高評価という書物にもかかわらず、である。ほかにもアマゾンで高評価で最近上梓された本でも、紀伊国屋では入手できない例が散見される。
丸善ジュンク堂はアマゾンと同様、幅広い品揃えのようだ。
自分自身を振り返ってもわかるが、忙しく働いていると仕事に直接関係のない書物を読む時間やエネルギーは中々持てない。だが真実に迫るためにはマスコミやYouTubeに頼らず、書物を含む幅広い情報源を持ち、論理的思考力を駆使して自分の頭で考えるしかない。