BBCのドキュメンタリーに続き、元ジャニーズ事務所の岡本カウアン氏が記者会見を行い、最近にわかに日本の大手メディアもジャニー喜多川氏による少年への性犯罪を報道しはじめた。
かねて週刊文春の記事や元フォーリーブスの北公次氏らの暴露本もあり、最高裁も喜多川氏の行為を認めている。
私はジャニーズ系タレントのファンというわけでもなく、噂ではジャニー氏の行為を耳にしたことはあったが、あまり関心はなかった。最近明るみに出てきた内容を知ると事の重大さに驚く。
ジャニー氏は1960年代頃から所属タレントの未成年への性行為を行っていた。デビューまでのステップは以下のとおり。ジャニー氏が応募書類や紹介、街での声がけなど様々なルートで好みの美少年を発掘→「合宿所」である自宅マンションに呼ぶ→寝ている少年にマッサージを施し、性行為に及ぶ→受け入れた少年を引き上げ、小遣いをあげる+拒否した者には声をかけなくなる→デビュー前にホルモン注射を打ち、少年的な雰囲気を維持させる。
すごく悪質なのは、有名人の紹介で入所した者には性行為は行わず、地方出身で合宿所に泊まらざるを得ないとか、家庭が貧しく自分がスターになることで親をラクにさせたい、といった少年の思いを利用してジャニー氏との性行為をデビューの条件としていた、ということだ。全ては暗黙の了解だった。
カウアン氏は「でたらめ」となどと言われないよう証拠を残し、自分の身を守るため、ジャニー氏から性行為を強要された場面の動画を撮影したという。
仕事を取るために有力者の性行為を受け入れる「枕営業」はジャニーズ事務所に限らず、芸能界全体に氾濫しているとカウアン氏は言う。そうした悪習慣を断ち切るために自らの体験を伝えることにした、と。
松田聖子の父親は国家公務員で彼女の芸能界入りに大反対したため、同時代のほかのアイドルよりデビューが遅れたという。おそらく娘に枕営業などしてほしくない、という思いがあったのだろう。
ここで一歩引いて全体を俯瞰してみると、なぜこの時期にBBCが報じたのかは気になる。
ゲイ社会は欧米のほうがスケールが大きい。
個人的に聞いた話だが、あるイギリス人男性は10代の頃、Aレベル(大学進学に必要な共通試験)受験のため、英文ライティング講師の中年男性から個人教授を受けた際に体を触られた。この講師は自分のレッスンに関する新聞広告を出し、それを見た母親が依頼したという経緯だった。男性は恥ずかしくて母親には黙っていたという。結果として英文ライティングの授業はほとんど行われず、セクハラを受けただけだった。
ほかの国、例えば儒教社会で有力者の権力が日本以上に強い韓国ではどうなのだろうか。
このような事件がある種の人間の本能に根差していることを考えると、日本で起きているなら、外国で起きていても不思議ではない。