2021年4月30日金曜日

緊急事態宣言下のゴールデンウイーク

 4月25日~5月11日とGWを完全に含んだ時期に、三回目の緊急事態宣言となった。

 どうせ二回目の緊急事態宣言やまん延防止措置と同じで、わけのわからない時短要請だけでしょと高をくくっていたところ、東京都は大型施設等への休業要請も行った。このためデパート、映画館、カラオケ店のみならず、美術館やプールなどの行政系施設、一部のレストランも閉鎖している。

 その一方で東京オリンピックはごり押しされ、ネット上は怒りの声であふれている。最近の選挙では自民党がことごとく敗北した。

 日本では外出先のマスク着用率100%、満員電車でも水を打ったように静かというマナーのよさで、他国と比べて感染は抑えられてきた。その努力を踏みにじるかのように、政府は東京オリンピックを特別扱いして多くの人はしらけている。

 だいたい時間や施設の規模で区切るという規制が非科学的である。一人カラオケ、シートで区切られた居酒屋での深夜の一人の飲食、一人でディズニーランドに行く、といったおひとりさま行動は感染リスクが極めて低い。その一方で家にこもっていれば安全というわけではなく、三世代同居の家族全員が発熱してあせったという医師の体験談が先日新聞に出ていた。

 単身行動が多い私としては、正直言ってこの非科学的かつ非論理的な規制は迷惑千万としか言いようがない。

 数少ないメリットとしては、宿泊業界がこぞって格安料金を出していることだ。「首都圏との往来を避けてください」という東京都の要請を鑑み、東京都民限定の朝食無料プランを出しているホテルもある。GW直前にそれまで見た中で最安値だったリッツカールトン東京は、緊急事態宣言後にはさらに4000円も安くなっている。ただGW前に初めて泊まってみた私としては早まったかと一瞬思ったものの、滞在目的の一つだった六本木ヒルズやライブハウスが現在休業中のため、今行ったところで付近には遊ぶところがほとんどない。

 変異株による感染リスクも気になるところだ。変異株の感染者が発するウイルスの量は従来型の100~1000倍との研究もある。このため全員マスク着用による打ち合わせでも感染した例が報告されているという。こうした最近の報道を目にすると、やはり他人からの飛沫感染には注意する必要があると思う。その一方で、米国CDCの研究によれば接触感染のリスクは極めて低いことがわかってきたらしい。

 徒歩や車で森林浴に出かけて、殺菌・癒し効果のあるフィトンチッドやマイナスイオンを吸い込んでくるのが最も安全な過ごし方だろうか。

 これまで興味があったが、できなかった読書をしてみるのもいい。世界的に有名な作家の作品は一読に値する。

 アガサ・クリスティーの小説「そして誰もいなくなった」を原書で読んだところ、ミステリー小説を超えた価値を感じた。違法ではない形で過去に殺人を犯した10人が離島に集められ、そのうちの一人である元判事は例外であり、この作業の仕掛け人として次々とほかのメンバーを殺していく、という話である(ネタばれ失礼)。 

 殺人まで行かなくても世の中には法的には許された悪事を働く例があり、これらに対する著者の正義感と問題提起を示した作品ととらえることができる。こうした法律ギリギリの危うい行為をすることを英語でsail near (close to) the wind、あまりにもバカバカしいことをpreposterous と言うなど語彙の増強にも役立ち、モヤモヤしていた状況を言葉にできてスッキリした。