2022年12月8日木曜日

ベルリン国立歌劇場管弦楽団 東京公演レビュー

  12月7日、8日にサントリーホールで行われたベルリン国立歌劇場管弦楽団の公演を鑑賞した。

 当初の予定では、ブラームスの全交響曲(第一番~第四番)を同楽団の音楽総監督ダニエル・バレンボイム氏の指揮で2日間に亘って通しで演奏する(7日が第一番・第二番、8日が第三番・第四番)という内容だった。バレンボイム氏はベルリンフィルのデジタルコンサートでもなじみがあり、私は第一番から第四番まで時系列で全曲を聴けるものと楽しみにしていた。

一カ月半前に指揮者と曲順変更

 しかしながら、あいにくバレンボイム氏の病気によって指揮者がクリスティアン・ティーレマン氏に代わり、1日目の演目の順番が第二番→第一番に変更になった。

 日本を含むアジアツアー全体がティーレマン氏の指揮に変わったことで、韓国ではチケット払い戻しに応じたが、日本では応じなかった。

 ドイツの国立楽団が日韓でこのような差別待遇をするのもいかがなものか。日本人はおとなしいとバカにしているのか。これが逆で日本でだけ払い戻しに応じたら、韓国人は激怒して国民運動にまでなるんじゃないか😂。

 自分がチケット払い戻しをしたいかどうかは別として、日本の観客にも払い戻しの選択肢を用意すべきだと、私は日本の主催者である株式会社テンポプリモに問い合わせのフォームに書いて送った。しかしながら返答はなく、ベルリン国立歌劇場管弦楽団のOrchestra Director宛に状況と上記意見を述べたメールを出したが、なしのつぶてだった。

 12月7日はA席(30,000円+手数料220円)、8日はS席(35,000円+手数料220円)のチケットを入手して心待ちにしていたが、この反応にはがっかりして気分が萎えていた。

ブラームス交響曲第二番→第一番の理由

 とにかく当日は会場へ赴き、初日の公演を聴いたところ、曲順変更の理由は理解できた。ティーレマン氏の演奏は非常に激しく鋭角的なフォルテ部分が特徴的で、私が思うに、この手法は牧歌的なブラームス交響曲第二番には合わない。それに加えて最終楽章の盛り上がる部分はあまりにも拙速でヒッチャカメッチャカという印象だった。もっと言えば、彼は第二番が好きではないのかもしれない。

 これとは対照的に、二曲目として演奏された第一番は彼の手法がフィットして全体としてよくまとまっていた。日本主催者と楽団幹部への不満から、私は心理的に引いた状態で初日の公演を聴いていたが、帰りの電車の中や翌朝になって冷静に振り返ると、少なくとも第一番はかなりいい演奏だった。

 ティーレマン氏としては、自分がより得意として自信を持てる第一番でサントリーホール初日の公演を終えたかったのかもしれない。もしかしたら、急に代役を振られて準備する時間が足りず、優先順位をつけるとすれば、ブラームスが長年をかけて練り上げた第一番をないがしろにするわけには行かない、という状況だったのだろうかとも想像した。

第三番の演奏は珠玉の名演

 翌日は第三番→第四番の順番で行われた。ブラームス交響曲で最も演奏される曲目は第一番>第四番>第二番>第三番、という順だと思う。このため、私は第三番をライブで聴く機会がそれまでなかったが、あの第二番は何だったのかと思うほど、繊細な演奏で曲の細かい部分のよさを引き出し、その一方でフォルテ部分はきびきびと強調され、あれっと言うような間違いもなく、珠玉の名演だった。

 ステージにいる楽団員の数は、ベルリンフィルよりもやや少なく、ダブルベースの位置がベルリンフィルとは逆で向かって左側だった。このため右側が少し空いていた。おそらく、こうした数の違いによって、ベルフィンフィルのほうが厚みのある演奏という印象ではあった。

 しかしながら、ベルリン国立歌劇場管弦楽団の演奏に厚みがないというわけではなく、日本のオーケストラと比べると明らかに重厚感を感じられた。ベルリンフィルとの違いは、例えてみれば、羽毛布団にどれだけ羽が入っているかの違いであり、分厚い布団の価値はもちろんあるわけだが、羽毛が若干少なめの布団でも適切な用途はあり、決して羽毛の質や量をケチった安物ではない、といった感じかもしれない。

ティーレマンの好みは分かれる?

 さてお待ちかね、私が掛け値なく何千回聴いたかわからないほど長年はまっている第四番の登場だ。ちなみに昨夜の聴衆は明らかにブラームスおたくが大半であり、第四番の終わり方からして、悲観的な人生観をベースとする人々である😂。一人で来ている男性が目立つ。年齢層はさまざま。女性は連れもいるが、男性の友達同士は皆無のようだ。カップルもあまりいない。ブラームスに入れ込むという感性は単独行動を好み、かなり冷静である一方、ちょっとしたことに傷つく、といった性格なのだろう😂。

 演奏のほうだが、ふつうの指揮者であれば節目として強調する箇所もさっと流して続け、一呼吸置くところを1.5呼吸置き、そうして溜め込んだエネルギーを指揮者が強調したいクライマックスで炸裂させた。岡本太郎が言うところの「芸術は爆発だ」という感じ。それでいて余韻が消えて完全な静寂になった瞬間、それまでの演奏は正しかったと証明される。これほど饒舌で表現豊かな静けさは稀である。

 曲全体が盛り上がっていくプロセスは乱れそうで乱れないギリギリの線を走る。持たせて、持たせて、腐る寸前まで熟れた果実がおいしい、みたいな感じ。

 独特の感性を感じさせ、最後の〆もややテンポが異なりはしたが、だからと言って全体が乱れてはいない。こういう演奏があったのか。創造の余地はどこにでも存在するものだ、そう思わせてくれた。

 奇をてらう感じではないが、個性的な演奏ではあり、首をかしげている観客も前列にいた。好みは分かれるかもしれない。私としては、何千回も聴いてきた曲にもかかわらず新鮮な驚きがあった。ベルリンフィルと比較される名門オーケストラだが、ベルリンフィルと同じではなく独特の味が感じられ、今後が楽しみになってきた。

(終演時の写真撮影可) 

2022年12月4日日曜日

ブレまくりYouTuberからの脱却

  今年3月に多摩動物公園で撮ったトラの動画がバズり、1万2000回再生を超えた。

 これに驚き、やる気を出してもっと凝った動画も制作してみたが反応はいまいち。

 最初はずっと前に買ったキャノンのデジカメを使っていたが、動画の解像度はかなり低い。

 春に買い換えたスマホのほうが画質はいいが、ズームアップの動きがスムーズではなく、ズームした際の画像はかなり荒い。


 ピントのずれたブレまくりYouTuber😂から脱却すべく、新しい機材を探すため電気店を訪れた。店員さんに勧められたのはソニーのHANDYCAM FDR-AX60という機種のビデオカメラ。思わずルーズベルト大統領?を連想させる品番だ😅
 スマホではズームアップする際のカクカクした動きは避けられない。デジカメで倍率を高くして遠くの映像を撮ると、高倍率の双眼鏡と同じく、倍率が高くなるほど手振れの影響が出る。ビデオカメラはズーム映像もスムーズで手振れ防止機能のついた機種もあり、中でもソニーのFDR-AX60が優れている、と店員が説明する。

 この一つ下の機種FDR-AX45も全く同じ手振れ防止機能がついているが、AX60にしかない性能として、オートフォーカスや露出を調節するマニュアル機能、真っ暗な中での撮影モード、モニターが逆光等で見にくい際に使えるビューファインダーがある。価格コムでは現在、AX60の最低価格は11万6000円程度、AX45は8万8000円程度と、3万円近い価格差がある。AX45は生産終了になっている。

 AX60、AX45とも2018年2月8日発売とすでに5年近く経過している。近く新機種が出る可能性があるか店頭で聞いてみると、コロナ前からソニーの海外倉庫で起きた火災による部品欠品→品薄に、コロナによるイベント自粛が追い打ちをかけ、スマホのカメラ機能向上による競争激化など、ビデオカメラ市場をめぐる環境は厳しい、という。

 私の最大の目的は、来年神宮に野球観戦に行き、1塁側に陣取って3塁側ベンチにいる岡田監督を撮影し、勝った瞬間に喜ぶ表情をとらえることだ。


 つまり数十メートル先の暗がりにいる人物をズームアップして焦点を当て、手振れを最小限に抑える必要がある。この目的を果たせるスペックの揃った機種はAX60かそれ以上しかない。

 AX60は付属のバッテリーを積んだ状態の重量が625g、さらに上位機種では1㎏近く価格も約24万円と約2倍。パナソニックもビデオカメラを製造しており、同社の機種のほうが価格、重量ともに低い。だがYouTubeにアップされている撮影動画を見ると、手振れ防止機能はソニーのほうがよく、パナの商品にはマニュアルで焦点を調節する機能などもついてない。

 こうした諸条件を総合的に考え、最終的にSONY HANDYCAM FDR-AX60を買うことにした。最低価格の店を調べたところ、ヤフーオークションで新品未使用のものが10万6001円即決で出品されていた。10月に買ったばかりでそこから1年間メーカー保証もついている、という。なぜ出品されたのか気になり、売り手に問い合わせると「コロナで予定が変わったためです。決して違法な事で入手しておりませんのでご安心ください」と。。

 どのような事情なのかわからないが、このような上位機種をわざわざ買ったということは、私のようにいろいろな機種を調べ、具体的な撮影目的のために入手したのだろう。昨夜届いた品はビニール袋からUSBケーブルなど付属品を出した形跡もなく、購入店のハンコが押されたメーカー保証書と領収書も同封されていた。

 早速試し撮りをしたところ、ふつうに作動し、全く問題ないようだ。東京西郊の山の上から都市部を望む夜景はさすがに離れているが😅、以前にスマホで撮影した動画と比べると鮮明度の差は歴然としている。